ん? なにやら旨そうな匂いが…
駅前からほんの5分ほど歩くと、角に銀行、正面に飲食店などの入った商業施設のある丁字路に突き当たる。
ここで南北に通っているのが、県道261号線。他にも金融機関や商店などが軒を並べていて、どうやら古河の町のメインストリートのようだ。
この県道を少し北に進んだ交差点の角には、日光街道の古い道標が置かれていた。
江戸時代の五街道のひとつで、江戸と日光を結んだ日光街道。古河は、日光街道古河宿が置かれていた町なのである。
日光街道は古河の町中で鍵形に曲がっている。それがちょうどこの道標のある角なのだが、現在の県道はさすがに曲がらずに一直線に北に抜ける。
それでも、旧日光街道にあたる西側の道筋も「よこまち柳通り」と名付けられ、昔ながらの商店街として続いているようだ。
そんな古い宿場町にルーツを持つ古河の町を歩いていて目に留まるのは、ウナギ屋の多さだ。
あちこちにウナギ屋があって、ところによっては香ばしい蒲焼きのニオイを漂わせている。成田や浦和、三島はウナギが名物として有名だが、果たして古河は。
古河のすぐ近くには渡良瀬川や利根川が流れ、湿地帯も広がっている。だから昔から天然のウナギがよく獲れたのだろう。いまのウナギはほとんどが養殖だが、ウナギ屋が多い町は歴史を受け継いでいるものなのだ。
ウナギのニオイに誘われながら町を歩く。新しいビルやマンションなども建ち並び、またその合間には古い町屋や蔵なども点在する。
古河は、古さと新しさが良いあんばいに入り混じった町だ。




