日本であれば、なんとなく近所の人の目を気にして、異性と交流を持つときには、かなり慎重になる人が多い気がします。
一方で、ドイツでは年齢も性別もあまり関係なく、同じ趣味があって、話が合えば「会いましょう」ということになります。
そして念のために付け加えておくと、隣人であるおじいさんとの散歩は、それ以下でもそれ以上でもありません。
彼女の話を聞いていて、本当にさわやかだなと感じました。
散歩や自然、近所の人との交流を大事にするドイツ人らしいエピソードかもしれません。
ホームオフィスのお昼休みをじゅうぶんに楽しんでいる様子のカトリンさんですが、マイナス点もあると言います。
「やっぱりホームオフィスではお昼休みに隣人と散歩する時以外は、1日中誰とも話さないこともあるから、孤独だわ」。
そしてこう続けます。
「週に4日間仕事をして、その半分の2日間がオフィス出勤、半分がホームオフィスというのが、本当にバランスよくて気に入っているの!」。
明るい笑顔からは充実した毎日を送っていることを窺い知ることができました。
オフィスの机に張りつく=仕事ではない
複数のドイツ人にホームオフィスの話を聞いてきて思うのは、「自由だな」ということです。
日本ではホームオフィスというと、「社員が好き勝手にやるのは困る」「どのように監視をするかが課題」ということにスポットが当たりがちですが、ドイツの場合は、年間30日の有休があるのがいわば普通ですし、ほとんどの人がその30日を全部消化しています。
そういった雰囲気の中で「上司や同僚の目の届くところ、つまりはオフィスの机に張りついて仕事をすることがいい」という感覚は、今のドイツではほぼなくなりつつあります。
ですから、ドイツで「ホームオフィスだと社員が何をやっているかわからない」という意見を持つ人がいないことはないのですが、経営陣がその手のことをあまりに堂々と言うと、むしろ逆に経営陣の良識が問われてしまいます。