もはや「高市有事」と呼ぶべきなのだろうか。
台湾有事に関する高市早苗首相の答弁をきっかけに日中の対立が目立つ。中国外務省は自国民に日本への渡航自粛を呼びかけた。毎日新聞は、こうした態度は中国の「常とう」圧力だが、相互交流が低下して対立の悪循環につながる懸念が高まっていると伝える(16日)。
「日中関係が対立に転じつつある」との声も
産経新聞は1面で「中国、国際世論戦を狙い」(16日)。どういう意味か? 高市首相の答弁に対し中国の薛剣駐大阪総領事がXに「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿したことには中国の主要メディアは目立った論評をしていないという。なので「争点化を避け、高市首相の発言を問題視することに焦点を絞っている形だ」と。だとしたら駐大阪総領事の発信は中国側もマズいと感じているのか。あの人物の今後に注目です。
日本経済新聞は「経済分野を中心に改善基調だった日中関係が対立に転じつつある」と、その新聞名の通り「経済」を憂う。そのうえで「落としどころをどう見いだすのかは高市政権の外交の試金石となる」と問う(15日)。
では今回の高市首相の答弁を振り返ろう。7日の衆院予算委員会で、立憲民主党の岡田克也氏とのやりとりでそれは出た。岡田氏は台湾とフィリピンの間の海峡封鎖という具体的なシナリオに日本がどう対応するかを問うた。首相は「戦艦を使って、武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得る」などと答えた。
この答弁に関してなるほどなぁという指摘をしたのが日本経済新聞だ。
・「戦略的あいまい」貫けず 首相、台湾有事答弁巡り反省 手の内さらすリスク (11日)
