コンプライアンス上の問題行為が理由で日本テレビの「ザ!鉄腕!DASH!!」を降板した元TOKIOの国分太一さん(51)が、芸能活動休止となってから初めて公の場に姿を見せた。「私の人生のほとんどはTOKIOだった」と目頭を赤くして会見で語る姿をつぶさに分析すると、胸に秘めた“意外な感情”が浮かび上がってきた。
白くやつれた顔色で憔悴しきった様子の国分さんは、黒系のスーツに黒のネクタイという、旧ジャニーズのタレントが謝罪会見に臨む時の定番スタイルに、大きな黒ぶちメガネをかけていた。街ですれ違っても彼とは気づけないほど印象はネガティブで暗いものだった。
会見の冒頭、国分さんは深々と頭を下げながら、弱々しいながらもはっきりした言葉で謝罪した。顔を上げると着座し、机の上に置かれた書面に視線を落とす。「少しでも正確にわかりやすくお伝えできればと思い、メモを見ながらお話しさせていただきます」
会見への緊張と、語る内容によっては不安や動揺で説明が難しくなる可能性があったのだろう。
「TOKIO」と発言するとき、声が震えた
日本テレビからの処分が、コンプライアンス違反の具体的な内容を告知されないまま行われ、それから5カ月が経っていることも問題の焦点の1つだが、日本テレビに対しては複雑な感情が透けて見えた。
「お世話になってきた日本テレビさんと対立する気持ちはありません」
そうはっきりした口調で述べる一方で、自身のどんな言動が違反と認定されたのか、被害者がどう思ったのかなどの事実は知らされず、“答え合わせ”ができていない状況では説明も謝罪も叶わないことへのいらだちや焦りも感じられる。
代理人を通して日テレと協議を行ったというが、それについて「こちらのお願いを何ひとつかなわず、今日に至っています」(原文ママ)と日テレ側の対応に満足していない発言もあった。眉間には力が入り、TOKIOについて語る時とは異なる強い表情も見せていた。
会見中、国分さんの声が震えたのは「TOKIO」という言葉を発する瞬間だった。
「TOKIOの解散」「TOKIO-BAの閉園」と、自身のスキャンダルによって解散を余儀なくされたTOKIOについて言及する時、国分さんは上を向いて涙を必死に止め、鼻をすすって唇を巻き込んで感情があふれ出すのをこらえていた。
「苦楽を共にしてきた3人で作った会社」と、5人ではなく3人になってからのTOKIOが彼のアイデンティティであったことを匂わせたあと、「数日間の間にすべてを失いました」と力なく語った。

