2001年12月放送のスペシャルドラマ『夫婦漫才』(TBS系)は、その豊川が脚本と監督を務めた作品。大阪を舞台に、漫才コンビとして活躍した夫婦の戦後史を描く。夫役は甲本雅裕が演じた。コラムニストで評論家の小林信彦氏は「中山美穂が(大阪弁も含めて)善戦していた」と評している(『にっちもさっちも』文春文庫)。
2002年に結婚を発表、翌年パリへ移住
通算7本目、中山にとって最後の月9ドラマとなる『ホーム&アウェイ』(フジテレビ系)は2002年10月スタート。『踊る大捜査線』を大ヒットさせた君塚良一氏が脚本を担当した。
独身最後の旅行に出かけたOLのかえで(中山)がさまざまなトラブルに巻き込まれて日本中を旅することになり、行く先々で人情に触れるというロードムービー風のコメディー。
無人島に漂着したり、密入国者と間違えられて逮捕されたり、温泉地で天女に間違えられたりするシチュエーションを楽しそうに演じている。独身最後の旅という設定が、この年の6月に辻仁成氏との結婚を発表したプライベートの事情とぴったり一致していた。
『ホーム&アウェイ』を最後に日本での芸能活動を休止した中山は、2003年よりパリに移住。1985年にデビューして以来、20年近くにわたって一途に歩んできたスターの座から降りることになる。
俳優・中山美穂が表現したものとは
不良少女のイメージでセンセーショナルにデビューし、トップアイドルとして駆け抜けた後、トレンディドラマ、純愛ドラマを経て、名実ともに日本を代表するトップ俳優となった。これが結婚休業前までの俳優・中山美穂の簡単な履歴である。
膨大な仕事量とその人気ぶりを考えると、人を惹きつける美貌だけでなく、確かな演技力と仕事に打ち込む誠実な人柄がなければ、とてもなし得ない業績だとあらためて感じる。
