静かな森で見つかったドラム缶。その中には“身元不明の女性と少女”の白骨遺体──だが15年後、同じ森からさらに2人の幼い遺体が見つかる。4人は誰で、なぜ同じ場所に捨てられたのか。真相は長く不明のままだったが、数十年後にDNA鑑定が導いた“衝撃の答え”とは。今なお真相が闇に包まれた古今東西81のコールドケースを扱った文庫『読んで震えろ! 世界の未解決ミステリー』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)

写真はイメージ ©getty

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DNA鑑定でわかった「被害者の父親」

 事態が動くのは2017年1月。

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 捜査当局は、2002年にカリフォルニアで妻を殺害し遺体をバラバラにした罪で服役し2010年12月に獄中死したボブ・エヴァンス(当時67歳)と、他の被害者と血縁関係のなかった2番目の女児が父子であることをDNA型鑑定により突き止める。

 その後の調査により、エヴァンスの本名はテリー・ペーダー・ラスムッセンで、最初の妻との間に4人の子供をもうけたものの、家族への虐待により1975年に逮捕。

 1981年に別の女性と交際を始め、後に彼女と生後6ヶ月の娘を連れ失踪していたことがわかった。女性はラスムッセンに殺害されたものと推察されるが、現在に至るまで遺体は発見されていない。

 2番目の妻と知り合うのは1999年。2001年に入籍を果たしたものの、原因は不明ながら彼女の頭部を殴打し殺害、遺体を解体した罪で懲役15年から無期懲役の判決を受けていた。