デンマーク人にとっては、いろんな場所に足を運ぶよりも、訪問先は少なくても目の前のことを楽しめる「余白」が大切なのです。

ただ、まったく予定を立てない、というわけではありません。

満喫するためには、きっと楽しめるはずという大枠のプランを持っておくのは重要です。デンマーク人は、その大枠のプランについては、けっこう事前に決めている印象です。

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休暇を楽しみにしている国民なので、一つの休暇が終われば、頭の片隅で、次の休暇プランを練り始めます。今度はどこに行こうかな、どんな休暇にしようかな、そんなことを考えるのは、それだけで楽しいものです。

ちなみに、デンマーク統計局調査によれば、デンマーク人に人気の長期休暇の訪問先は、上位からスペイン、イタリア、ギリシャ。長い連休には、ちょっと遠出して、南欧でのバケーションを楽しみます。

短期休暇の訪問先は、上位からスウェーデン、ドイツ、ノルウェーで、いずれもデンマークの隣国。車やフェリーでふらっと出かけるのでしょう。

デンマーク人は「散策」が大好き

アジアではタイなどが人気でしたが、最近は日本旅行をするデンマーク人も増えています。「この前、日本に行ってきたよ」「今度、日本に行こうと思ってる!」と、嬉しそうに報告してくれるデンマーク人が増えてきました。

デンマーク人の日本旅行の仕方は、日本人の旅行の仕方とは明らかに違います。デンマーク人は散策が大好きなので、日本で何をしてきたのかを尋ねると、お遍路など田舎で長距離のウォーキングをしてきたという人が多くて驚きます。

翻訳家メッテホルムとともに行くデンマーク人の日本ツアーは約2週間の旅で、四国の巡礼の旅と京都観光で構成されています。

アート・デザイン関係者の間では、直島などの瀬戸内海エリアも人気です。また、静岡でお茶について学ぶ研修に参加したという人もいますし、富山県の漁村で料理を学んだという人もいます。

もちろん、京都を訪問する人は多いですが、よく聞くと、長距離の自然歩道を歩いたエピソードなどが出てきます。