東大卒業後、TBSに就職するも2年で退職、その後友人と立ち上げたYouTubeチャンネルが大当たりし、登録者数132万人超の人気チャンネルYouTuberとなった斉藤正直さん(32)。東大、テレビマン、YouTuberと光輝く看板を次々とかけ替えながら、華やかな道を走り続ける斉藤さんに、3回に渡りインタビュー。

 第2回はテレビ局に就職、業界の楽しさも苦労も味わったものの約2年で辞めて、テレビ局で同期だった西江健司さんとYouTubeチャンネルを大ヒットさせるまでのお話。(全3回の2回目/つづきを読む

東大・野球生活からテレビ業界へ就職

――東大卒業後、院に進むのをとりあえず断念して、就活に切り替えて。

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斉藤正直さん(以下「斉藤」) 進路を選ぶときに「まず商社かな」って思ったんですけど時期がまだまだ後ろで、迫っていたのはテレビ局だった。当時、日テレとかテレ朝とかはもう終わっていました。

 あ、その前になぜテレビ業界かって話なんですけど、これもまた家族の影響があって。

斉藤正直さん ©︎文藝春秋

 まず、僕の姉がテレビ局で、今も報道のディレクターをやっています。兄は大学まで行ったけど俳優業をやりたくて上京。そんな感じで、うちの家族はちょっと上昇志向が強くてかつミーハーというか、僕自身そんなところもあったのが、テレビ局に興味を持ったきっかけだったかもしれないです。

――ごきょうだいの影響が大きいんですね。

斉藤 父もずっと、農家をやりながら地元の劇団で演劇をやっていて。そういう影響もあって、自分にもちょっと目立ちたがりのところがあるんです。ただ「姉と同じテレビ業界も、なんかなあ」って、ちょっと天邪鬼に悩みもしたんですけど。

 それで、そのとき直近に募集があったのが、フジ・TBS・テレ東。フジは健康診断で血を抜いたあたり……というか人事面談くらいのタイミングで落とされてしまったけど、TBSは通った。商社も1次面接を通ったけど辞退して、テレ東も応募はしていたけど、結果、TBSに決めました。

 なぜ商社に行かなかったかというと、テレビ局の方が選択肢が広いように思えて。商社にどっぷり浸かって業界が絞られることへの恐れみたいなのがあったんです。一方で、テレビ局でバラエティをやれたら「いろんな業界に足を突っ込めるじゃん」っていうのが心の中にありました。

©︎文藝春秋

『マツコの知らない世界』やドラマ『陸王』の現場を経験

――バラエティ番組の『マツコの知らない世界』やドラマ『陸王』の現場を経験されたとか。

斉藤 当時の研修制度が、バラエティ配属なら、最初ドラマで研修してからバラエティへ行く、逆にドラマ配属ならバラエティの研修から経験する……そういう制度が組まれていたんです。

――テレビ局には何年いらしたんですか?

斉藤 2年ないくらい。17年4月入社で、辞めたのが19年の1月か2月です。

――結構短いですね!……よほど辛い目に?

斉藤 (笑)。まあ、辛かったり、楽しかったり。面白いこともキツイこともありました、テレビ局は。