4人を殺害した凶悪夫妻、デヴィッドとキャサリンの運命はどうなったのか──死刑は執行されたのか、それとも釈放されたのか。残虐な犯行の果てに待っていた衝撃の結末と、二人のその後の人生に迫る。文庫『世界の殺人カップル』(鉄人社)より、その後の顛末を一部抜粋してお届けする。(全3回の3回目/最初から読む

写真はイメージ ©getty

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強姦殺人を繰り返した殺人カップルのその後

 こうして逮捕された夫妻は素直に犯行を認め、遺体を埋めた場所を供述した。裁判の結果は、両者ともに終身刑。オーストラリアは1973年に死刑制度を廃止していた。

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 判決後、デヴィッドは警備が厳重なフリマントル刑務所の雑居房に拘留されていたが、他の囚人から危害を加えられないようにするために、独房に移され、同刑務所が1991年に閉鎖された後は、パース郊外のカジュアリーナ刑務所の独房に移送される。

 収監中の楽しみはキャサリンとの文通で、その数は2千600通以上にも及んだという。しかし、2005年10月7日早朝、デヴィッドは独房の換気口にくくりつけた紐で首を吊った姿で発見される(享年54)。自殺の原因は不明ながら、晩年にわずらったうつ病が悪化したことが影響したものとみられている。