――ちなみに、「匿名集団」のチーム名はどこから?
A氏 ハッカー集団の「アノニマス」ですね。それを日本語の「匿名」に置き換えて。
――匿名集団のSNSを見ると、ガイ・フォークスのマスクを装着している画像がありますね。彼らの行動に、共感するところがあった?
A氏 ハッキングという世間的には是認されない方法を用いながら、世間のイメージを逆転させる、という点ですかね。
とくに2022年にロシアがウクライナに侵攻した際、アノニマスはそれに対する抗議の意味を込めて、ロシアの放送局をハッキングしましたよね。そこでウクライナ側の映像を流し、「現場はこうなっている」とロシア国内に訴えようとした。
――そういった声明がありましたね。彼らの行動を賞賛する声も多かったように思います。
A氏 彼らはハッキングを通じて、「本当はこうなんだ」というのを伝えようとしました。それによって、ロシア側で映像を見た人もいるでしょうし、世界的にも彼らの存在そのものに対する見方が変わったと思うんです。
隠れている側面を広く届けたり、世間的なイメージを逆転させたりといった点で、「改造車のイメージを変える」という我々の目的とも共通するな、と。
メンバー同士の揉めごと、脱退騒ぎは?
――お話から、かなりチームとしての理想を高く掲げているように感じます。メンバー間で、チームの方針について揉めることは?
A氏 揉めたりケンカしたり、といったことはないですね。もちろん人間同士ですから、少しずつ考えがズレてくる部分もありますが、なるべくその都度メンバー間で意見をすり合せるようにしています。
――では、メンバーの脱退といったトラブルもない?
A氏 メンバーがチームを抜ける、というのは何度かありました。ただそれは、お子さんができたりとか、仕事の都合とかですね。
――ライフステージが変わったと。普段のメンバーとの交流は、どのような形で行っているのでしょう。
A氏 以前はイベントがなくても、隔週くらいのペースで集まっていたんですけどね。車で集まることもあれば、普通に乗り合わせてバーベキューをしたり、コテージを借りてお酒を飲んで肉を焼いたり。
――理想的な大人の休日じゃないですか。なぜ今はやっていないのですか?
A氏 仕事の都合が変わったり、東海地方に引っ越してしまったメンバーもいるので。今はほぼイベントだけで、日々の連絡はグループLINEで取り合っている形ですね。

