――とはいえ、企業からのPR案件などもあるのでは?

A氏 それも、これまで一度もないんです。おそらく企業イメージを考えると、わざわざVIP系の改造車を積極的に使いたくないのかもしれません。

――現状はなくても、今後いいオファーがあれば……?

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A氏 いや、そもそもこの活動に、お金の話は絡ませたくないんですよ。案件を受けてしまうと、どうしてもPRっぽい空気が出てしまって、伝えたい世界観が崩れてしまいますからね。

 それに、そういった取引がなくても、Win-Winの関係が生まれるのがSNSのいいところだと思っているので。

30万超のフォロワーを抱えながらも企業からのPR案件は一度もないという

――Win-Winの関係、ですか。

A氏 たとえば過去にあったのが、駆け出しのアーティストの曲を私の編集した動画に使わせてもらって、その再生回数がかなり伸びたんですよ。

 そこからアーティストさんとつながり、ミュージックビデオに出演させてもらって。金銭のやり取りが一切なくても、人と人がつながって、新しい関係が生まれるんですよね。

「批判的なコメント」への対応は

――SNSの投稿に対する世間の反応についても教えてください。ご自身に寄せられるコメントやメッセージはどの程度チェックしていますか?

A氏 リアルな反応を知るための貴重な機会ですから、コメントやDMにはすべて目を通しています。必ず全員に返信もしていますよ。

――全員に、ですか? 

A氏 DMを送るときって、皆さん、すごく勇気を出して送ってくれていると思うんです。もしかすると、フォロワー数を見て「うわ、すごいなこの人」と、芸能人に送るような感覚でいるかもしれない。とくに若い方はテレビよりも、SNSの方を見ていますしね。

 でも、私自身が特別な存在だというわけではないので。立場は対等なはずなのに、頂いたメッセージに返信しないのは失礼にあたりますから、必ず返すようにしています。

匿名集団の幟がはためく

――アンチコメントにも返信している?

A氏 いや実は、基本的にそういったコメントは来ないんですよ。私もSNSをやる以上は、批判的な反応もあるだろうと思っていたのですが……。実際には、数件しか頂いたことがなくて。

――それはかなり意外というか……。改造車というだけで、嫌う人もいそうですが。

A氏 もちろん好きな人がいれば嫌いな人もいるでしょうから、見えないところで色々いわれているとは思いますけどね。でも今のところは、表立って何かをいってくる方はいないんですよ。