――初めて、意識して人前に出る職業を選んだ。
向 そうですね。着エロ時代の撮影や、みんなで何かを作る作業が好きだということもありました。これがラストチャンスと思い、自分が好きなことをしようと、女性向けAVメーカーのシルクラボに応募しました。
――そこからは順調に?
向 「AVをやろう」と思って入ったのですが最初に入った事務所ではAVよりもデートイベントなどのスケジュールが多くなってしまって、自分で営業して撮影の仕事を取ってきたりするようになり、それならと独立してフリーで活動することにしました。
――そして、現在の会社を立ち上げ。
向 フリーになる不安もあったのですが、想像以上に多くのメーカーさんから声をかけてもらえました。確かに女優さんは事務所所属の方が多いんですが、男優はほとんどがフリーで、事務所に入っていること自体が「声のかけにくさ」になっていたようなんですよね。同時にファンも増えていって、イベントも自分で企画するのは楽しいんだと気づきました。
「撮影では女優さんを好きになろうとしています。その場限りの相手でも…」
――セクシー男優を始めてもう9年が経ちます。これまでで一番長かったコンビニの2倍を超えていますが、なぜ続けられたと思いますか?
向 着エロ以来のロケだったんですけど「やっぱりロケって楽しい!」と心底思いました。あとは、自分自身に嘘をつかずにやっていることも、長続きの理由だと思います。この仕事を始めるにあたり、キャラを作ったりせずありのままで行こうと決めたんです。生い立ちや過去の仕事、失敗や後悔もすべてさらけ出していこうと。
――以前のような無理はしていないと。
向 最初は必死でがむしゃらでした。無理をしていたかもしれませんが、それよりも楽しさの方が上回っていました。中堅になった今も経験値を積むために日々試行錯誤しながら仕事をしています。
あと撮影では、その日の相手となる女優さんを好きになろうと努力しています。その場限りの相手でも、ちゃんと好きになれると作品のエロさが変わってくるんですよ。

