「お父さん死んだよ」
3年間の音信不通を経て姉に連絡を取った時の一言を、人気セクシー男優の向理来さん(36)は無感情に聞いていたという。
定期的に会うようになった今も「家族ごっこ」が抜けないという向さんの家族観について話を聞いた。(全4回のうち4回目)
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――ヒモ生活からどうやって抜け出したのですか?
向 僕は肩が昔から弱くてよく外れていたのですが、その手術を受けることになったのがきっかけでした。全身麻酔の手術だったので家族の同意書が必要になったのですが、一緒に住んでいる子に連絡先も全て消されていたので、探すところから始めました。
姉に言われた「お父さん死んだよ」
――よく見つかりましたね。
向 運よくSNSが1つ残っていて、姉を見つけて連絡したら「お父さん死んだよ」と言われました。父親が癌だということは知っていたのですが、音信不通になっていた3年くらいの間に亡くなっていました。
――それは衝撃ですね。
向 実はそれを聞いたときも、自分の中から特別な感情は出てこなかったんです。悲しいでも後悔でもなく、本当に「そうなんだ」と。それでも、自分の生活を見直そうという気持ちにはなり、一緒に住んでいた彼女が別のホストにハマっているのも察していたので、さすがに潮時だなと。それで母親が住んでいた実家に戻りました。
――そこから実家へ戻るんですね。
向 そうですね、お金もなかったですし。25歳だったんですけど、その時に人生で初めて「焦り」を感じました。周りは就職して結婚している人もいるのに、僕は無職で実家暮らし。それでこれまでの自分への罰として「一番自分に不向きな仕事をまじめに1年間頑張ってみよう」と思ってガソリンスタンドで働きました。
――1年間ガソリンスタンドで働いたあと、現在の職業であるセクシー男優の道へと進みます。
向 ガソリンスタンドはちゃんと飛ばずに辞めることができて、27歳になってようやく本気で向き合える仕事を真剣に考えるようになり、それで浮かんできたのがセクシー男優でした。考えてみればホストも着エロも売り専も、それまで僕がしていた仕事が「人からの人気をお金にする仕事」だったことに気づいて、結局そういう仕事が向いているのかもしれない、と。

