しかも…
父・中山和彦さん:
“奏琉、Xでバズってるんだよね”みたいなことを言われて。何が?と思いながら聞いてて…。
そこで父は、人生初のSNSで息子の記録をさかのぼり始める。
すると…
(2023年10月25日投稿・奏琉さんのnoteより)
デカすぎが気になり病院へ。肋骨がやばいんだろうなと思ってたらデカ腫瘍だった。
「デカすぎ」とは、あの日見た腫瘍のこと。
その腫瘍に、「デカすぎ」というあだ名をつけ…
(奏琉さんのnoteより)
CTを撮った。人生初でテンション上がっていたがすぐに終わって面白くなかった。
検査さえ、面白い、面白くないで語っている。
しかも、あの壮絶な手術については…。
(奏琉さんのnoteより)
癌発覚。手術で肋骨ごとごっそり取るらしい。明後日から入院生活が始まるけど、初めてなのでちょっとテンションが上がってる。
そこには、自分の知らない息子がいた。
中でも驚いたのは、がんが再発し、ステージ4を宣告された時の文章だった。
(2024年11月6日投稿・奏琉さんのnoteより)
再発しましたね。運がなかった。嘆いて治るものでも無いのでネタにでも昇華しようと思います。
もちろん、友人が聞かされたのも…
奏琉さんの友人・松岡信さん:
「ステージ4だったわ、ガハハ」って。「病院もう1回行ったらがんだったー」とか言って笑ってました。
その、あまりの無邪気さに…
奏琉さんの友人・松岡信さん:
「笑ってんじゃねえよ」って言った覚えありますけど。ステージ4って、その時は僕の方がなんかビビってた…。「中山、死んじゃうの?」って思ったのは覚えてます。
生きざまが起こした奇跡
死の淵に立たされてなお、痛みに耐え道化を演じ続けていた奏琉さん。
その時、父は幼いころの記憶を思い出した。
それは、大きな釣り針が刺さっても…
父・中山和彦さん:
怒られたら困るのかなんだか分かんないですけど、泣かないで我慢してるんですよ。目にいっぱい涙ためながら。
カッターで血だらけになっても…
父・中山和彦さん:
縫うぐらい切ったんですよ。血ダラダラで、目にいっぱい涙ためながら、でも泣かないんで我慢してて。
それとまったく同じことが、入院中にもあった。
父・中山和彦さん:
先生とか、看護師さんに言われたのが、「本当に痛いときも我慢しちゃってるから、心配になるんですよね」って言われたことがあって。
「我慢強い息子」と「ふざけた投稿」…それは、自分の弱みは絶対に見せず、人を楽しませようとした、息子の生きざまだったのか…
思えば、進路を決める時もそうだった。
奏琉:
父さん、俺、北海道大学に行くよ。
父:
ああ、そうなのか。





