父・中山和彦さん:
(理由は)全然分かんないです。まあたぶん、北海道で一番の大学だからっていうのが、まずあったんだと思いますけどね。
という程度に思っていたのだが…。
後日、進学担当の先生から聞かされたのは…
先生:
奏琉君、やっぱりお父さんの仕事を、ずっと見ていたんでしょうね。
父:
えっ、どういうことですか?
先生:
「北大で農業の研究したい」って言ってましたよ。
奏琉は、トラクターからの景色を覚えていた。
横で眠ってしまった、あの日々を…。
決して口に出さなかっただけで。
バラバラだった点と点がつながり、1本の線になり始める…。
だが物語は、それで終わらなかった。
その生きざまは、父の想像をはるかに超える奇跡を巻き起こしていく。
亡くなった奏琉さんがXに残した最後の投稿に…
(カシシさんのXより)
このニキに敬意を表してお香典包んだンゴ〜 成仏してクレメンス
あの「死んだンゴ」の投稿を見た人から、香典代わりに「国立がん研究センタ−」に寄付をしたというポストが…。
すると…
少ないけど香典包んだ 成仏してクレメンス
俺もたまにはええ事すんぞー
そんな投稿とともに、全国のがんセンターなどに爆発的な寄付が集まり始めた。
それは、直接奏琉さんとは関係のない東京の「がん専門機関」にも…
公益社団法人 がん研究会・山口武史社会連携部長(5日):
昨日の段階でございますけれど、2440件。金額にしまして、1000万円を超える数字となっている状況でございます。このような爆発的に集まるというのは、おそらく未曽有の状態だと思いますので。
今、友人が思うのは…
奏琉さんの友人・松岡信さん:
(奏琉は)二度と会わない、とんでもない奴という印象ですね。自分の死を受け入れることもしんどいはずなのに、まさかそれを使って他人を笑わせようとしてくるようなやつがいるとは思わないなって純粋に思いました。だから、やっぱり衝撃的なやつ。とんでもない人間ですね。
そして、父もまた…
父・中山和彦さん:
「やらない善より、やる偽善」ってやつですよね。本当にその通りだなと思って…。きっかけは何にしろ、本当に日本全国の方に知ってもらって、本当に日本一の有名な中山さんみたいな形になってて。それがすごくね、いい取り組みにつながっているっていうのは本当に誇らしいですし、自慢の息子だなと思って。



