2026年は「医療の値段」を2年ごとに見直す診療報酬改定の年に当たる。物価高騰や人件費の上昇で、病院の経営は軒並み悪化しており、医療界は例年にない大幅なプラス改定を政府に求めている。ただ、診療報酬の大幅な引き上げは保険料をアップさせ、働く人の手取りを減らすことになる。厚生労働省が公表した24年度の概算医療費は48兆円に達しており、改定率を1%引き上げるだけで、4800億円の増加となる。
26年4月からは「子ども・子育て支援金」を医療保険料に上乗せして徴収する制度がスタートする。制度の導入を決めた当時の岸田文雄政権は「社会保障支出の見直しにより、国民負担は増やさない」と繰り返してきた。加えて過去2回の国政選挙で「手取りを増やそう」と前面に打ち出した国民民主党が躍進したこともあり、政府与党は保険料が増えることに神経をとがらせている。
日本医師会は医療費の大幅増を主張
25年12月の予算編成時に決まる翌年の改定率をめぐり、医療費の膨張を抑えたい政府関係者は「病院の経営支援や医療・介護従事者の賃上げの継続は必要」とした上で、「十把一絡げの引き上げではなく、地域の中核病院や高度医療を提供する特定機能病院など、病院の類型別の経営状態や地域における必要性を勘案した支援が重要だ」と言う。以前から病院より利益率が高いとされてきた診療所関連の報酬を見直し、「病・診」の収入格差の縮小も検討している。
一方、開業医が中心の利益団体である「日本医師会」(日医)は「診療所の経営も悪化している」と医療費の大幅増を主張し、財務省への対抗姿勢を強める。政治団体「日本医師連盟」(日医連)の役員を兼任する日医執行部のメンバーと、日医連の組織内議員である自見英子(じみはなこ)、釜萢聡(かまやちさとし)の両参院議員や都道府県医師連盟の役員らが、厚労族に限らず多数の自民党議員に支持を働きかけて対抗する。



