2025年11月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト3をお送りします。仕事術部門の第2位は――。

▼第1位 ほめられた時に三流は「ありがとう」、二流は「とんでもない」と言う…頭のいい一流のスマートな返し方

▼第2位 「ごめんなさい」はむしろ逆効果…市役所が困り果てた「クレーマー市民」を1分で撃退した新人職員の神対応

ADVERTISEMENT

▼第3位 資産運用でも健康維持でもない…佐藤優が50歳を過ぎたら「決しておろそかにしてはいけない」と話すこと

悪質なクレームにはどのような対応をすればいいのか。前明石市長の泉房穂さんは「私が明石市の市長になったころは一般の職員がクレーム対応をしていたが、手に負えないようなクレーマーに、精神を病む職員もいた。ただ、とある職業の職員を採用し始めてから現場の空気は一変した」という――。(第1回)

※本稿は、泉房穂『公務員のすすめ 世の中を変える地方自治体の仕事』(小学館新書)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/Gajus ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Gajus

世間から批判された“弁護士職員”

市役所の仕事は実に多岐にわたります。そして、職員が見るべきは市民の顔と書きましたが、その市民の中にも実にさまざまな人たちがいます。中には、残念ながらクレーマーのような人たちがいるのも事実です。

何をクレーマーとすべきかの線引きは非常に難しいところがあるので、十把一絡(じっぱひとからげ)には言えませんが、時として対応にエネルギーと時間を費やしてしまうことは少なくありません。明石市では、こうした対応に大きな役割を果たしたのが、専門職採用された弁護士たちでした。

明石市長に就任した1年目、私はまず弁護士を5人採用しました。当時、基礎自治体としては最多の採用人数でしたから、地元メディアなどには“弁護士出身の市長が、弁護士業界に媚(こび)を売っている”、“忖度(そんたく)している”、というような叩かれ方をしたものです。

4年後の市長選挙において対立候補者が、「現市長の泉房穂が採用した弁護士をクビにする!」と公約に掲げていたほどです。しかし、そもそもなぜ弁護士の採用が必要だと私が判断したのか、もっとそこを冷静に考えて欲しかったと思います。