ITバブル後も続いた強気の投資は、友人の勧めと楽観に支えられていた。しかし、竹中平蔵氏の金融再生策が引き金となり、資産830万円は一気に半減。新米投資家が直面した「株は簡単ではない」現実と、そこから学んだ転機とは? 名古屋の長期投資家さんの新刊『2億稼げる なごちょう式 低リスク超分散株投資』(高橋書店)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

新米投資家を襲った「竹中平蔵の行動」とは? ©getty

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友人のすすめで買った株が竹中平蔵大臣のせいで大暴落!

 多くの株を売っていたこともあり、ITバブルの崩壊の影響を受けなかった2000年、友人に「チップマウンター世界トップシェアのFUJIの株価が半値になっていて安いから、一緒に買おうよ!」と誘われます。調べると同年3月期に過去最高益なのになぜか半値になっていて「この技術力を考えると今はお値打ちかもしれない」と考え、同年9月に2100円(分割考慮後)で買いました。

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 ところが、FUJIは01年3月期に一転大赤字になって株価は大きく下がり、02年3月期も黒字予想から赤字に転落してさらに暴落。03年5月には340円(分割考慮後)と、株価は購入時の6分の1になってしまいました。

 不運は続きます。02年4月には同じ友人からの「昨年経営統合したUFJホールディングスの株価が99万円まで上がったのに、『債権区分をごまかしている』との報道で30万6000円まで下がっているのは割安だ」との誘いに乗り、自分も同感だったので、1株買いました(当時この銘柄は1株が1単元だった)。

 ところが、02年9月に金融担当大臣に竹中平蔵氏が就任し、大手銀行に対して05年3月末までに不良債権残高を半減させるように要請する「金融再生プログラム」が発表されます。不良債権の比率が高かったUFJホールディングスは大規模な資金調達が必要だと思われて売られ、株価は買った30万円台から5万円台まで暴落します。