状況を逆転させた“作戦”

Yuna それがそうでもなくて。2、3年生のときにひとりの子が台湾から転校してきました。彼女は何の偏見も持たずに話しかけてくれて。それは嬉しかったですね。いま、日中関係が緊張感を帯びていますが、極めて個人的な意見を言えば、「台湾と中国は文化や考え方が異なる」と感じている私の、根本にある体験かもしれません。

――そのあと、クラスではどう立ち回っていくのでしょうか。

Yuna 私は幼い頃から漫画家になりたいという夢があって、文房具にも相当なこだわりを持っていました。日本から結構な量の文房具を持ってきていたんです。学年が上がると、何人かの同級生が私の文房具を借りに来ることが増えました。最初のうちは快く貸していたのですが、何しろ大切にしているものだったので、「借りたまま返ってこなかったら困るな」と思って(笑)。そこで、メンバーシップ制を導入したんですね。

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Yunaさん

――メンバーシップ制! どういう仕組でしょうか。

Yuna 簡単に言うと、貸した文房具を返してもらったら、スタンプを1個押す……というものです。スタンプカードのようなものを作成して、そこに自分で絵を添えました。あらかじめみんなの反応を見て文房具にランクをつけておいて、「スタンプが10個貯まったら、ランクの高い文房具を借りられる」特典をつけたんです。

 結果的に、多くの子が関心を持ってくれて、クラスの3分の1くらいがこのメンバーシップ文房具の愛用者になりました。その頃から、だんだんと嫌なことを言われたりもなくなっていきましたね。

――差別的な扱いを受けたとき、Yunaさんは立ち回りひとつで逆転させたわけですね。