日本生まれの人に差別的な中国人がいる一方で…

Yuna もちろん、はじめからそれができたわけではありません。最初のうちは、言葉で言い返したりしていました。ただ、自分が持っている文房具という特殊なものを使ってクラスメイトとの関係性を築き上げられるようになると、それまで悪口を言ってきた子のなかにも「あのときはごめんね」と素直に謝ってくれる子も出てきました。本当に根っこから意地悪をしてきた子はごく少数で、ほかは極めて無関心で流動的だということも、このとき学んだかもしれません。

  文房具だけではなく、私に「ひらがなを習いたい」と言ってくる子もいて。私自身そこまで完璧ではなかったものの、ひらがなを教えたりもしていましたね。いじめは辛かったですが、自分の武器をどう見せるかを学んだ時間でもありました。

 またこの出来事によって、日本生まれの人に差別的な中国人がいる一方で、日本文化に関心を持ってくれる中国人もいることがわかりました。日本で生まれた人間として、それは嬉しかったですね。

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Yunaさん

――その後、10歳でハワイへ行き、24歳でLAへと転居するわけですよね。アジア人であることで、一層差別的な扱いを受けるのではないかと思ってしまいますが。

Yuna そうです、父と母が別れて暮らすことになり、母の親戚が多いハワイに行くことになりました。背は高めなのに英語が話せないので、みんなが赤ちゃんに話しかけるみたいにしゃべってきて、少し自尊心が傷つく場面もありましたが、現地の人なりの配慮だったようです。

  LAは民主党支持者が多いこともあって、比較的リベラルな気風がありますから、多様性には寛容なんですよね。人種差別をされていると思ったことはあまりないかもしれません。もちろん、たとえばレストランで先に並んでいても、アジア人である私よりも白人を先に店側が入れる、というようなことはたまにありますが。

――それは、一般的に人種差別というのではないでしょうか……。