15歳少年に殺人を依頼し、自分の夫を殺害することに成功した高校教師のパメラ・スマート。いかにして15歳少年を凶行に導いたのか? そして捜査が進むにつれてわかった彼女の「身勝手な殺人理由」とは……。文庫『世界の殺人カップル』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目/続きを読む

写真はイメージ ©getty

◆◆◆

なぜ生徒に殺人を依頼?

 パメラは1967年、フロリダ州マイアミに生まれ、中学のときニューハンプシャー州に転居した。小柄で愛嬌のある美少女は異性からもてはやされ、高校時代はチアリーダーとして活躍、アメフト部のキャプテンと交際していた。高校卒業後、フロリダ州立大学に進学。そのころからニュースキャスターになることを夢見て、大学在学中は学内のラジオ局で番組を持つなど精力的に活動する。

ADVERTISEMENT

 後に結婚相手となる2歳上のグレッグと出会ったのは1986年のクリスマス。当時、彼はプロのミュージシャンになるべく、ヘヴィメタのバンドを組んでいた。2人はすぐに恋に落ち同棲。1989年5月にパメラが大学を卒業したタイミングで結婚した。

 グレッグはプロのミュージシャンになることをあきらめ、父親が経営する保険会社に就職。夫婦はグレッグの故郷であるニューハンプシャー州に購入した一軒家で新婚生活を始める。

 一方、パメラはニュースキャスターになる夢を捨てきれず、その足がかりとしてウィナカネット高校で放送業界を志望する生徒にメディア学を教える派遣教師の職に就いた。

 幸せを夢見た2人の結婚生活は当初から喧嘩が絶えず、半年後にグレッグの浮気が発覚したことで破綻寸前まで追い込まれる。プライドの高いパメラが夫の不倫を許すわけもなく、その仕返しに自分も浮気してやろうと企む。頭に浮かんだ相手は1人、教え子のビリーだ。