当時、日本はUFOブームで、テレビや新聞では連日、目撃情報が飛び交っていた。また、謎の飛行物体を連想させるフリスビーやゲイラカイト〔三角型の凧の一種〕が売れていた。その場で「焼きそばU.F.O.でいこう」と決まった。(68~69頁)
また“U.F.O.”という名前には、商品のコンセプトも重ねられた。
スナックめん容器の形状多様化の流れのなかにあって、日清食品はあくまでも丸型容器で押し通すこととした。そうした確固としたコンセプトを訴求するために「円盤」は格好の素材だったのである。同時に「U=うまい、F=太い、O=大きい」と的確に商品特性を表現することができる。(『食足世平:日清食品社史』236頁)
こうしてソースと商品名が決まった。
発売当初は湯戻し5分の太麺だった
麺とかやく、ふりかけはどうだったか。どれもカップ焼きそばには欠かせない要素だ。
めんの開発では、戻りのよさとコシの強さの両立がポイントとなった。〔中略〕原料粉を吟味するとともに切歯の形状を丸刃にした。めん線の表面積を小さくしてクチあたりをなめらかにするとともに、コシの強さを保つためである。(234頁)
〈日清焼そばU.F.O.〉は商品名の「F=太い」という語呂合わせの通り、太い麺を使っているのが特長のひとつだ。現在でも他社に比べて太い。しかし発売当初はもっと太かった可能性がある。というのも湯戻し時間が3分ではなく5分だったのだ。
『ジャパンフードサイエンス』の1976年11月号では、〈日清焼そばU.F.O.〉の麺が次のように紹介されている。
従来のカップ焼そばは、カップに熱湯を注入後、3分間で湯切りするが、最近は日清食品のU.F.O.のような太目のめんで5分間を要するものも発売された。太いめんはつるりとしたなめらかな食感があり、2分間差のハンディを超えて味がまさる。(46頁)
『週刊現代』の同年7月22日号でも、新商品の魅力を《歯ごたえのある太い麺》と表現している。
中高生の関心の的であるU.F.O.(未確認飛行物体)を、食品のネーミングに持って来たのも奇抜だが、容器も円盤上の大判タイプ。中身も歯ごたえのある太い麵だ。120円で関東、近畿地区で発売中。(141頁)
一方、かやくとふりかけについて。『食足世平:日清食品社史』では《紅ショウガ、ゴマ、青ノリのほか、キャベツを採り入れることになった》(234頁)と記されている。
なめらかでコシの強い湯戻し5分の太麺。ガツーンとくる強烈な香りの液体ソース。キャベツのかやくに、紅生姜・ゴマ・青のりのふりかけ。それが発売当初の中身だった。