1976年5月〈日清焼そばU.F.O.〉発売
そして1976(昭和51)年5月21日、〈日清焼そばU.F.O.〉が発売された。マーケティング部が発足し、カップ焼きそばの開発を任されてから、わずか2ヶ月足らずのことである。
余談になるが食品業界では、焼きそばなどの汁なし麺は基本的に夏の商材とされている。ラーメンやうどんなど熱々の汁麺は夏場に売上を落とす。かたや汁なし麺は夏にシェアが伸びる傾向にある。そのためメーカーが特に期待するカップ焼きそばの新作は、シーズン前の春に発売されることが多い。
日清食品はテレビCMも大きな武器として使いこなしてきた。
〈日清焼そばU.F.O.〉発売初年度の1976年は、テレビCMに当時人気だった漫談家・松鶴家千を起用した。
業界誌『酒類食品統計月報』の同年5月号に掲載された広告にも彼が大きく写っている(次頁)。左下には《新製品のセールスポイント》がまとめてある。小売や問屋などの業界関係者向けの媒体で、麺や味付けよりも容器を最初にアピールしている点に注目したい。
●作りやすく、食べやすい洋皿タイプ。(直径18cm)
●歯ごたえのある太目の麵。
●ちょっと甘酸っぱい、スパイシーなソース。
そういえば皿型容器については、“角型容器よりも大きく見えるため商品ディスプレイで有利だ”という分析もある。『ジャパンフードサイエンス』同年11月号から引用しよう。
この容器は、直径18cm、高さ5cmの円形カップで、HIスチロール製の弁当型タイプ(16cm×12.5cm×5cm強)〔〈ペヤング ソースやきそば〉の容器サイズ〕よりはるかに大きくみえ、陳列上有利な面がある。(48頁)
業界誌『食品商業』の同年7月号では、この夏のカップ焼きそば市場について、《丸型容器か角型(弁当型)容器に分かれ、今シーズンはこの「角」「丸」の天下分け目の決戦の年といわれている》(69頁)と報じた。
カップ焼きそばが登場して2回目の夏。角型と皿型の容器対決が、業界の注目を集めていた。