「岡村靖幸の○○。」のゲストは演出振付家のMIKIKOさん。年内での「コールドスリープ」を発表したPerfumeの全楽曲の振付を担当していることでも知られています。
実は岡村ちゃんとは付き合いが古く、気の置けない仲だとか。“MIKIKO先生”の仕事と人生、そしてPerfumeとのことについてじっくり聞きました。『週刊文春WOMAN創刊7周年記念号』から一部を抜粋し、掲載します。
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コロナ禍ですべての仕事がストップしたとき、ホッとした
岡村 その後、コロナで強制的に世の中が変わってしまったじゃないですか。自分の生活を見直す機会もあったと思うんです。どうですか、がむしゃらにワッーと働いていた頃といまを比べてみて。
MIKIKO 落ち着きました。やっぱり、コロナ前までは呼吸をしてない日々だったんです。私はそれまで裏方として、人を支える側で生きてきたので、いろんな面から自分の仕事を知ってもらえるようになったのはうれしいことではありました。演出や振付という仕事を幅広く知ってもらえば、後進のためにもなる。
ただ、自分がもともと踊りというものに対して持っている尊敬の念や神聖さみたいなことと、メディアで取り上げられることが結びつけられたかというと、うまくできていなかったと思うんです。でもコロナの世の中に突入し、すべての仕事がストップしたとき、不謹慎にもうれしいと思った。ホッとしたんです。
岡村 立ち止まることができた。
MIKIKO しかもあの頃、東京2020オリンピックのゴタゴタもあって、疑問の塊が絶頂に達していて。それが強制終了したときに、ああ、よかった、私の感覚は間違ってなかったんだ、と。

