昆虫食といえば「コオロギ」「イナゴ」などが有名だ。それ以外にも、日本人にとって身近な虫が世界では食べられていることもある。それが「セミ」だ。
セミの中でも「周期ゼミ」「素数ゼミ」と呼ばれる、幼虫期を13年もしくは17年かけて過ごす種は、かつて北米大陸で大量発生した際にアイスクリームにされて販売されたこともある。それにしても、セミは食べるとどんな味がするのだろうか?
世界の虫を食べ歩いてきた吉田誠さんによる新著『世界の虫を食べてみたい 幻の「ミツツボアリ」と「素数ゼミ」を追い求めて』(緑書房)から一部抜粋し、アメリカで素数ゼミを食した際のエピソードをお届けする。(全4回の4回目/最初から読む)
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いろいろ検討した結果「天丼」と「寿司」として調理することに
昆虫食に関わる人間として、素数ゼミは見る・聴くだけでなく、食べなければならない。事前の調べでは素数ゼミの素材としての特徴が全くわからなかったが、現地で見ることによって、ある特徴がわかった。「小さい」「柔らかい」という2点である。
素数ゼミのサイズは日本のニイニイゼミぐらいで、とても小さい。ここ数年、昆虫食界隈では外来種として日本に居着いたタケオオツクツクの美味しさが話題に上っているが、あのような大きなサイズのセミと比べると、少し食べがいがないかもしれない。
素数ゼミの身がフニャフニャな点も若干心配要素だった。日本のアブラゼミは羽も胴体もしっかりしているので、素揚げなどでも良い感じにパリッと仕上がるのだが、素数ゼミは調理方法を間違えると、ペチャっとした失敗感漂う素揚げになってしまいそうだ。
少し考えた結果、天ぷらとして揚げて、天丼及び寿司を作ることにした。ふぐ調理師の免許は取得しているのだが、寿司はあまり握ったことがないんだよな……。悪戦苦闘しながら、寿司と天丼をどうにか作った。


