「セミ天丼」「セミ寿司」はどんな味がするのか

 周期ゼミは割と繊維質が強めにもかかわらず、フニャフニャしているという難しい食材であったが、天ぷらで衣をつけることにより、いい感じの歯ざわりになってくれた。

「よし、イケる!」 

 素数ゼミの風味は日本のセミ料理にありがちな樹液臭さがなく、食べていて不快感があまりないのも嬉しいポイントだ。ただ、1匹あたりのサイズが小さかったので、食べがいが少し足りなかったのだけが難点だ。

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素数ゼミで作った天丼と寿司。221年ぶりということで「221年丼」と「221年寿司」と名付けよう

 その日の夜もセミの発生を見に行ったが、相変わらずの大量発生で、なかなか気持ちの悪い光景が広がっていた。そしてUberでホテルへ向かう道中、運転手に治安の話をすると、車の前方上部に開いた穴を指差し、「コレ弾痕」と自慢げに話してくれた。本当に大丈夫なのか、この国は?

大量に発生して、塀に張り付いていた

 素数ゼミを賞味し、堪能したので、日が昇ってからはシカゴの街を満喫することにした。市内の自然観察ツアーに参加し、植物について様々な話を聞いて回った。ツアー中にもセミがたくさんいる地点があり、至るところで蠢くセミに飽き飽きしつつあった。

 中には真っ昼間にもかかわらず、羽化をしているセミもいた。夜に探し回った労力を、返してほしくなってくる。大量発生のセミに、昼より夜に羽化するという生存戦略が、必ずしも適用されるわけではないこともここで知った。

昼夜関係なく、素数ゼミは大量発生していた
羽化するセミ

 その後は、ミシガン湖沿いにある、巨大なフィールド博物館のセミ展示を見たり、シェッド水族館を流し見したりして、残り少ないシカゴでの時間を満喫した。あとは食べ飽きたハンバーガーでも食べて寝よう。

 シカゴへの素数ゼミ渡航は、計画どおり、ちょうど地面から大量に湧き出し始めたタイミングだったようだ。素数ゼミの映像や画像がネットに出回る前から、ほぼ一番乗りで素数ゼミを堪能できた。

 ちなみに我々の後に渡航されたベーシストの今沢カゲロウさんは、入手した素数ゼミの全種(「13年ゼミ」「17年ゼミ」と呼んでいるが、実はそれぞれがさらに数種類に分かれている)の鳴き声を録音したらしい。いろいろと、凄すぎる。さらに帰国してから、この後のタイミングでYouTuberだけでなく、NHKなどのメディアも素数ゼミの映像を撮りに渡航していたことを知った。221年に一度のビッグイベントは、さすがの集客力なのであった。

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