2025年11月、中京エリア地盤の大手スーパー「バロー」が、首都圏初出店となる横浜下永谷店(横浜市港南区)をオープンした。首都圏にまたもや域外からの越境進出か、とスーパー業界筋ではかなり話題になっている。オープン後は、車の入庫制限や公共交通機関での来店を呼びかけるなど異例の人気ぶりを見せた。

関東初上陸を果たした、岐阜発の食品スーパー「バロー」(プレスリリースより)

 ただ、バローと言われても、首都圏の消費者にとっては「誰それ?」と言う感じであろう。岐阜発祥で中京圏を席巻して、今では北陸や関西にも多くの店があるスーパーなのだが、東方面は静岡県富士市が最東端であり、横浜はかなりの飛び地出店となる。越境と言えば、東京や神奈川にほとんど店がなかった九州のトライアルが、西友を買収して乗り込んできたことが記憶に新しいが、首都圏のスーパー業界では、2025年にさまざまな変化の兆しはあった。

関東地盤の「古豪スーパー」が次々と再編の対象に

 例えば、2024年から始まっていた、かつての首都圏トップシェアスーパーのイトーヨーカドーが大規模な閉店を実施、その後、セブン&アイがコンビニ専業となり、それ以外を分離したヨーク・ホールディングス(主要事業はヨーカドー・ヨークベニマルのスーパー事業)は、投資ファンドであるベインキャピタルの傘下となった。

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 イオンはといえば、関東の食品スーパー子会社をUSMHに経営統合、これに伴いダイエーの関東店舗はマックスバリュ関東に事業統合されることが決まった。これらの動きにより、かつて首都圏で存在感を誇っていたイトーヨーカドー、西友、ダイエーがことごとく、再編で動いたというのが2025年だった。

イトーヨーカドーを含め、2025年は古豪スーパーの再編が進んだ(写真ACより)

 ちなみに、イオンは今では千葉県に本社を構えるが、もともと三重県出身でUSMHの主要構成企業、マルエツ、カスミ、いなげやなどをM&Aで傘下に入れてきたことを考えれば、ここ10年ほどの間で首都圏のスーパーの市場は、他エリアからの進出企業によって、再分割されている、といえるかもしれない。

 そして、さらに中京圏から、新たにバローが乗り込んできたのだが、この会社、これまでのスーパーとはかなり違うビジネスモデルなのである。今回は、首都圏住民の知らないバローについて、実際の店舗を訪問しながらすこしご案内しようと思う。