台湾映画『あの頃、君を追いかけた』(2011年)『赤い糸 輪廻のひみつ』(2021年)の俳優クー・チェンドンが2025年12月に来日。長年タッグを組んでいるギデンズ・コー監督の特集上映「ギデンズ・コーが語る、ギデンズ・コーの世界」(池袋・新文芸坐)に登壇した。
2月に台湾で公開されるギデンズ監督の最新作『功夫(原題)』で演じるのは、ギデンズ作品では『あの頃~』以来となる高校生役。トークでは「監督の分身を演じられる役者は台湾に僕しかいません」と冗談まじりに笑顔を見せた。
もっとも単独インタビューで2025年を振り返ったクー・チェンドンは、「今年は大変な一年でした」と心境を語った。自分のキャリアを「転換期」と呼ぶ彼が語る、ギデンズ・コーとの出会いと歩み、俳優・映画監督としての現在地とは。(全2回の2回目/最初から読む)
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盟友ギデンズ・コーとの出会い
『あの頃、君を追いかけた』から15年。自らを見出した恩人であり、盟友でもあるギデンズ・コー監督との関係について、クー・チェンドンは「最初は監督と役者としての関係でしたが、今ではクリエイティブなパートナーへと変化してきたように思います」と語る。
ただし『あの頃~』で出会ったとき、クーはギデンズが当時すでに有名なスター小説家であることを知らなかった。「子どもの頃から小説を読む習慣がなかったんです。彼のことは、おしゃべりがうまい映画監督志望の人だと思っていました」と笑う。
当時の年齢は18歳。オーディションを重ねるなかで、監督のことをだんだん理解していったという。
日本でも口コミをきっかけに大ヒットとなった『赤い糸 輪廻のひみつ』は、それから10年後、クーとギデンズが再び主演・監督としてタッグを組んだ一作。クーはギデンズが脚本を完成させる以前からいくつもの草稿に目を通し、撮影後の編集作業にも参加した。
『赤い糸 輪廻のひみつ』を、クーは「成長を認めてもらえた証のような作品」と振り返る。
「ギデンズ監督が描く人物はよく似ていると思われるかもしれませんが、僕にとってはぜんぜん違います。『あの頃、君を追いかけた』で演じた高校生のコートンと、『赤い糸』の主人公シャオルンは、一見似ているようですが、考え方やモチベーション、行動がまったく違う。その違いを自分なりに表現したいと思っていたので、シャオルン役で台北映画祭の最優秀主演男優賞を受賞できたことは本当にうれしかったです」


