キャリアの転換期に入り新しいチャレンジを

 2025年を振り返り、クー・チェンドンは「大変な一年でした。キャリアの転換期に入り、新しい役柄にチャレンジした年だったんです」と語る。「仲の悪い夫婦の役や、情緒不安定な父親といったシリアスな役どころを演じました」。

 もちろん、こうした変化はすべてポジティブにとらえているようだ。5年後、10年後の目標を尋ねてみると、「この15年、僕は映画を作ることも、この業界も本当に大好きでした。年齢に応じて演じられる役柄は変わってくるものだから、5年後や10年後も、さまざまな役柄を演じていたいですね」と明るく答えてくれた。

インタビューに答えるクー・チェンドン

『黒の教育』に続く監督作も、すでに企画が2つ動いており、脚本の執筆が進められている。さらに、今後は自らの会社を通じて活動の幅を広げていくことにも意欲的だ。

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「大胆なことを言えば、プロデューサーとして関わることや、映画に投資することにも興味があるんです。より多くの企画に触れ、さまざまな方法で多様な作品に関わることができると思うから」

 2026年はギデンズ・コーとの原点回帰となった『功夫』のほか、主演を務めたNetflixの大作ドラマ「乩身(原題)」を控える。転換期を迎えてなお、俳優クー・チェンドンの進撃は止まらない。

『あの頃、君を追いかけた』©Sony Music Entertainment Taiwan Ltd.

クー・チェンドン 1991年台湾生まれ。『あの頃、君を追いかけた』(2011)で映画デビュー。主な作品に『狼が羊に恋をするとき』(2012)、『怪怪怪怪物!』(2017)、『赤い糸 輪廻のひみつ』(2021)、『マネーボーイズ』(2021)、『ママボーイ』(2022)。初監督作『黒の教育』(2022)は大阪アジアン映画祭で「来るべき才能賞」を受賞した。

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