こうして売り上げを伸ばしてきたアフリカケンネルもバブル崩壊で、一気に業績が暗転。借金の返済もままならない状態に陥り、関根と風間は税務対策のため1992年に偽装離婚。アフリカケンネルの代表者を風間に移すが、実質の経営者は関根で、2人は以前と変わらず、熊谷市内の犬舎兼自宅で生活を共にしていた。
素人をダマして1100万円を詐取
そんな状況下、1993年4月に最初の事件が起きる。埼玉県行田市に住む産業廃棄物処理会社の役員Kさん(当時39歳)は同年1月ごろからアフリカケンネルに出入りし関根と親しくなっていた。
当時、兄の経営する会社の経営が不振に陥っていることを相談したところ、関根が一つのビジネスをKさんに勧める。アフリカ産のローデシアン・リッジバックという新種の犬を繁殖させれば大儲けできるというのだ。ならば関根自らがやればいいのだが、彼はその商売のリスクが高いことを知っており、また、このころ、アフリカケンネルには税務調査が入り3千万円の追徴課税を命じられ、支払いに窮していた。
そこで素人のKさんに金を出させ、当たれば儲けの大半を自分のものにする心づもりでいた。関根は猫なで声でKさんにお世辞を言い、接待にも惜しみなく金を使った。これに乗せられたKさんは、ついにはローデシアン・リッジバック2匹(雄と雌)を関根から1100万円で購入してしまう。
ところが、ほどなくKさんは知人から、この犬種の相場が数十万円であることや、購入した犬はすでに高齢で繁殖には適さないことなどを知らされ、さらには、雌犬が脱走して行方不明になったことから繁殖自体が不可能になったため、詐欺のようなものだと関根にクレームを入れ購入代の返金を求める。その後、両者間で何度か話し合いが持たれたものの、返せ返さないで話は平行線。
しだいにKさんの存在が邪魔になった関根は風間と話し合ったうえで、彼の殺害を決意する。