2018年上半期、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。オピニオン部門の第4位は、こちら!(初公開日:2018年5月3日)。

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 ちょっと聞いてくださいよ。

 嘆かわしいのは記者会見までやって「本人は相当酩酊状態で、記憶が若干明確でない状態ではあるが、被害者にキスをしたことは間違いありません」ということで、アルコール依存の話になっちゃったことなんですよね。

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 何がって、旦那、分かるでしょ、TOKIO山口達也氏の書類送検後の記者会見のことです。

謝罪会見での山口達也 ©文藝春秋

核心については明らかにされずに終わってしまった

 弁護士同席の下で行われたこの記者会見、どのような経緯で事件にいたったかという核心については明らかにされずに終わってしまった、ただただ残念な話なんですよね。

 もちろん、世間一般のアルコール依存な人たちについて、投げかけられる目線が冷たいわけです。本人の意志とは関係なく、つい酒を飲んでしまう、飲んだうえでいろいろやらかしてしまう……。これらは、社会通念上は「酒癖が悪い」とか「酒で失敗するタイプの人」などという、まるっとしたワードで語られて終わってしまいます。如何にも「意思が弱いからアルコールを断てないのだ」と。

5月2日のTOKIOメンバーによる記者会見 ©文藝春秋

 でも、実際にはアルコール依存から脱却しようとすると、本人の意志の強い弱い関係なく、きちんとした治療は必要です。「もう飲まないぞ」となっても、きちんと見ていてくれる家族が必要だ。場合によっては長期入院したり、定期的なケアを受けながら、酒からの自立を志す人も少なくありません。一度依存してしまうと、なかなかその誘惑を断てないのはもはや完全な病気であります。