ベネズエラへの軍事介入、グリーンランド領有の示唆――。年始早々に帝国主義的な顔を覗かせているトランプ大統領だが、アメリカ国内で彼の強硬路線を支持する声は少なくない。時代錯誤と言える「力による支配」は、なぜここまで支持されているのか?(全3回の3回目/最初から読む

トランプ大統領 ©時事通信社

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“世界No.1の超大国”としての自負

 領土拡大欲が強いトランプ氏が支持される背景には、米国人の“世界No.1志向”があるようにも思われる。

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 9.11同時多発テロが起きた際、「スーパーパワー(超大国)でいるのは大変だな」とか「アルカイダは米国の繁栄に嫉妬を感じているからテロを起こしたのだ」などという声を耳にした。米国の人々は、自らの国が世界一繁栄しているスーパーパワーであると自負しているようだ。

 米国は世界No.1の座から降りたくはないだろう。ことに、負けず嫌いで勝ちにこだわる性格と言われているトランプ氏なら、なおさらだ。敵対勢力である中国やロシアには負けたくないのだ。

 トランプ氏が「中国やロシアが狙っている」と訴えるグリーンランドを手中に収めたいのも、本質的には、負けず嫌いな性格に起因しているところがあるのではないか。国家安全保障上の理由でグリーンランドが欲しいというのなら、すでに、同地には米軍基地があるのだから。

アメリカ社会を覆う“他者不信”の空気感

 若者を中心に社会への不信感が広がっていることも、トランプ氏への支持を後押ししているように思われる。

 ピュー・リサーチ・センターが2018年に行った世論調査によると、アメリカ国内では、より若い層ほど他者を信頼していない傾向にあるようだ。若い層は経済的に親世代ほど恵まれておらず、家を購入することも困難になっている。

 また、この世論調査では、より学歴が低く、より年収が低い層ほど他者を信頼していないことが示されている。

 トランプ氏もまた他者への不信感が強いことは、グリーンランドに対する領有欲が強いことから推察できる。