入院中に脊髄梗塞であることを公表したワケ

――食べることも難しかったとのことですが、体重がかなり減ったのでは。

佐藤 最初は5キロぐらい落ちました。とにかく足が細くなってしまって。ずっと寝たきりなので筋肉が落ちるんですね。でも今は、病気になる前よりも3キロくらい増えています。ずっと筋トレしてるので、かえって筋肉量が増えました。

――2024年6月13日に脊髄梗塞であることを公表しましたが、あえて病名を出したのはなぜですか。

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佐藤 レギュラー番組を持っていて、休んだ1週目は「体調不良で欠席です」と放送されました。8年続けている番組で、休んだのは初めてだったんです。

 

 次の週も「体調不良でお休みです」となると、視聴者の方々に不信感を与えてしまう。そこで、事務所と話をして、入院していることを発表しようと決めたんです。

病気を発表した日から「顔つきからなにから全てが変わった」

――直筆のメッセージで公表していましたね。

佐藤 事務所からは「パソコンを使ったら?」と言われたのですが、自分で書いたほうがいいなって。妻に文房具を用意してもらって書きました。

 不思議だったんですけど、書くためにベッドのリクライニングを起こしたら、下半身が麻痺しているのに自分で立っているような錯覚に陥ったんです。リクライニングで起こしたといっても、はたから見れば寝ながら書いている状態なんですけど、僕としてはまるで立って書いているような感覚で。

「そうだ。立つのって、こういう感覚だった」と思いながら書いているうちに、「これを発表したら、ちゃんと病気と向き合わなきゃ」と、急に思ったんです。そこからスイッチが本格的に入りました。

――メッセージを書いたら急激に変わったと、医師もおっしゃっていたそうですね。

佐藤 発表した日から変わった、と言われました。顔つきからなにから全然違ったみたいですね。

(写真=本人提供)

――入院中の治療は、ステロイドの投与とリハビリが中心だったそうですね。

佐藤 脊髄の病気ではむくみを抑えるためにステロイドを打ちます。ただ、効くか効かないかは個人差があるそうで、患者さんすべてに効く治療法がないのが、この病気のつらいところなんです。

 手術という選択肢もなくはなかったのですが、大動脈を傷つけて二度と歩けなくなる可能性もあるということで、病院のほうで「手術はしない」という方針になりました。

写真=末永裕樹/文藝春秋

次の記事に続く 「ベッドの上で必ず指を入れて便を確認し…」麻痺により排泄にも支障が生じた佐藤弘道(57)が語る、大変だったリハビリ生活

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