発見されたのは「女性6人の遺体」

 ロンドン警視庁の捜査員らが駆けつけ現場検証を行ったところ、毛布にくるまれた女性の遺体が3体発見された。

 遺体の首には全て縄で絞殺された痕があり、手首は特殊な結び方をしたハンカチで縛られている。また現場を捜索していた捜査員の1人が、リビングの床の一部できしむ音が聞こえることに違和感を覚えた。床板を剥がし調べてみると、リビングの床の下に掘り返したような痕跡があり、別の女性の遺体が(後にエセルと判明)。さらに、アパート敷地内の裏庭から2人の遺骨、全部で女性6人の遺体が見つかる。

 新しい住人になるはずだった男性によれば、知り合いに紹介されたジョン・クリスティなる男性に自分の部屋を転貸する約束を取り付け、3ヶ月分の家賃を払うと、クリスティはすぐにアパートから退去したのだという。

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全てはクリスティの犯行だった ©getty

 これを受け、警察は一連の犯行がクリスティによるもので、現在逃亡中であると断定。レインコートを着た彼の人相書きを連日のように新聞の一面に載せ、市民から情報提供を募った。同時に警察はこの期に及んで自分たちの大失態に気づいた。妻子を殺害したとして絞首刑となったエヴァンスが冤罪だったという事実。全てはクリスティの犯行だったのだ。

次の記事に続く 《懲役は…》女性8人を殺害し、無実の男を死刑に追いやっただけじゃない…イギリス最悪の殺人鬼の“あまりにあっけない最期”(1948年・海外の冤罪事件)