路上で声をかけたりSNSで言葉巧みに誘ったりして女性を集め…

 あらためて書くと、スカウトの仕事は、路上で声をかけたりSNSで言葉巧みに誘ったりして女性を集め、主に風俗店などに送り込むことである。最近は、「出稼ぎ」と呼ばれる海外での売春の斡旋や、AV(アダルトビデオ)、アダルト動画への出演を仲介することも多くなっている。

 スカウト側は、女性を店に紹介すると店側からスカウトバックという報酬を受け取ることができる。報酬は女性の稼ぎのおよそ15%で、女性がそこで働いている限り続く。

今年1月26日に逮捕された違法スカウトグループ「ナチュラル」のトップ・小畑寛昭容疑者(警視庁HPより)

 一方で、風俗店などを紹介することは、法に抵触し逮捕などのリスクがある行為で、危険と隣り合わせである。

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 まず、都道府県の条例によって、繁華街では路上など公共の場で声をかけることが禁止されているところがほとんどである。

「きれいな子がいたので、ナンパで声かけました」と言い逃れ

 東京都の場合、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(略称「迷惑防止条例」)」によって、公安委員会が指定する区域内の路上など公共の場所で、性風俗店やアダルトビデオ出演などを紹介するスカウト行為を規制している。

「僕らはまず組織に入ったときに、スカウト行為だと分かると捕まるから、あくまでナンパだと言い張るように指導されます。警察官に職務質問されても、『きれいな子がいたので、ナンパで声かけました』と答えれば大丈夫だからと何回も言われていました。あとは、絶対に組織名を出さないことも強く指導されます。職質のときにナチュラルだということが絶対にバレないように、あくまで友だち同士、仲間でナンパしていたという形にするんです」(佐伯)

 また、路上などで声をかけなくても、風俗店などに紹介すること自体が、職業安定法違反(有害業務紹介)として摘発の対象になる。つまり、風俗の仕事は「有害」な業務だという理屈なのだが、警察がスカウトを摘発する場合は、この法律を適用するケースも多い。

 都道府県の条例か、職業安定法。逆説的に言うと、警察にとっては、それしかスカウトグループを摘発する術がなかったのが実態である。暴力団のように、暴力団対策法があるわけではないので、トクリュウやスカウトの存在自体を法律で規制することはそもそもできない。

 警察当局は既存の法律だけでは取り締まりは難しいとして、2025年になって風営法を改正した(6月から施行)。