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すると乗船客の一人が軍艦島の手前にある「中の島」で下船した。小さな無人島で、南側は洗濯板状の岩盤がむき出しになっている。話を聞くとイシダイの好ポイントらしい。
もともと軍艦島も小さな「瀬(海底から地盤が突出した地形)」だったものを段階的に埋め立てて拡張し今の姿になっている。中の島は端島の原型とも言えるかもしれない。
鉄筋コンクリートの廃墟
さらに船が軍艦島に近づくにつれて、目に映る島の解像度が上がってゆく。輪郭は全て廃墟になった鉄筋コンクリートの建物で形成されており、その佇まいは色彩がなく無機質で哀しさが漂う。
最盛期の1960年頃は島内に5000人もの人が暮らしていたというから驚きだ。当時の炭鉱夫の月給は現在の80万円を超えるともいわれ、島外からこぞって働き手とその家族が移住した。結果、軍艦島は30棟の鉄筋コンクリート造りの高層集合住宅を有する世界一の人口過密地帯となった。
生活インフラも完備され、パチンコ店や映画館などの娯楽まであり節水を除いては不自由なく生活できたそうだ。しかし、エネルギー革命によってエネルギー資源が石炭から石油にシフトした結果、1974年に炭鉱は閉山。軍艦島は瞬く間に無人島になった。
まさに兵どもが夢の跡。初めてみる軍艦島に圧倒されていると下船のアナウンスがあったため、ミヨシに荷物を寄せて上陸を待った。



