軍艦島を囲む外壁には島内に入るための階段や船着き場、かつての桟橋跡など、数人が上がれるようなポイントが点在していて、そこへ降りて釣りをすることになる。
渡船を予約する際に船長に何を狙いたいか相談し、乗りたい釣り座を予約順に指定できる。我々が降りた釣り座は「映画館下」。島内に続く階段の踊り場で、ここも二人のスペースを確保するのがやっとな小場所だ。
初めて軍艦島に降り立つと、やはり外壁が高い。そのため島内の様子は見えないが、広大な東シナ海の絶景に圧倒される。絶海の孤島にでも降り立った気分だ。この瞬間だけは何でも釣れそうな爆釣必至の高揚感で満たされる。はやる気持ちを抑えて釣りの準備を開始した。
浅瀬を回遊する“巨大魚”
足元の水深は3mほどと浅く、軍艦島がもともと瀬だったことが窺える。50mほど投げると水深がいっきに10mまで深くなるそうだ。ルアーを投げて青物の回遊を待つより、コマセを撒いて魚を寄せる戦法に出る。
足元に牡蠣を砕いた撒き餌を落とすと、50cmを超える大物まで集まってきた。広島の伝統釣法であるかぶせ釣りで狙うも、定説通り見えている魚を釣るのは難しい……。そんななかでも友人はフエフキダイやイラを釣り上げ順調な滑り出し。
さらに足元に回遊していた得体のしれない大物まで仕留めた。
私はというとやっとの思いでフエフキダイを釣るも、上陸したてにあった全能感は打ち砕かれた。
釣りは引き出しの数がものをいう。午前の部は初場所にアジャストできなかった。私が得意とする夕方~夜釣りで、どうにか挽回したいところだ。





