レナーテ 年齢の近い2人の娘が同じ家で育ちながらも、まったく異なった家への思いを持ち、まったく異なる経験をするというテーマが私はとても好きです。普遍的なテーマだと思います。私も含め、姉妹や兄弟がいる人なら、きっと誰もが似たような経験をしているのではないでしょうか。そして子供たちが双子でない限り、親は最初の子供を得た後に変わっていきます。次の子を迎えるまでの間に、何か新しいことを学んだり、何かを失ったりする。ですから、姉と妹は同じ親から生まれたけれど、異なる親を経験することになります。
すべての答えは知らなくていい
——姉妹の子供時代、父のグスタフは妹のアグネスを自分の映画の主役に選びましたが、どうしてだと思いますか?
インガ アグネスの方が子役として年齢的に合っていたから、とか実際はそんなところだったのでは? アグネス自身も「いい仕事をした」とは思ったものの、ことさらには心に響かなかったため、そのまま役者になろうとは思わなかったんでしょう。
——映画を観ていて、ノーラはあの時父親の映画に出演したかったのかも、と感じました。
レナーテ それはどうだったかわかりません。私は作品に取り組む時、すべての答えを知っていることより、現場に来て、ある瞬間を作り出すことの方が大切だと思っています。共演者や脚本やシーンとの間で、予想もしていなかった瞬間が生まれる驚きがあるんです。私も昔は演劇で役について全てを徹底的に知り尽くそうとしていましたが、その必要はないし、むしろそれが足枷になることもある。「私の演じる人間は、そんなことしない」と思い込んでしまうこともありますから。人物の背景を安全策として持っていていいけれど、決めつけないでいることが大事ですね。

