アイドルよりも「なりたいもの」があったけど…
宮脇 ようやくアルバイトが見つかったんですが、休みの日にボランティアを始めたんです。とにかく自分が社会に溶け込めていなさすぎて「何か社会の役に立たないと生きていく価値がない」と思っていたんです。自己肯定感がどん底で……。
それで視覚障がい者向けに新聞を代読するボランティアをしていたら、たまたま姫路の商工会議所が、ボランティアでアイドルや「語り部」を募集するオーディションをやるらしい、と知ったんです。
──「語り部」とは?
宮脇 2014年放送のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」にあやかって、観光客向けに歴史の語り部を作ろう、と。私、語り部になりたくて、オーディションに紙芝居を作っていったんです。
──アイドルではなく「語り部」志望だった。
宮脇 そうです。そしたら100人以上の応募者のうち、語り部志望は2人しかいなくて。しかも紙芝居を作って行ったのは私だけだったので、飛び道具っぽい感じで受かったんですね。「これで語り部ができる」と思っていたのに、気づいたらアイドルになっていたんですよ(笑)。
──語り部は……?
宮脇 語り部、なんか消えてました(笑)。最初、事務局からは「補欠です」と言われたんですよ。「語り部にも補欠ってあるのかな?」と思ってたんです。でも、いつの間にかアイドルのほうが盛り上がって、語り部は自然消滅してしまい……。またしても、ここにも私の居場所はないのか、と。
元々人前で歌ったことなんかないし、ダンスもラジオ体操くらいしかやったことがない。オーディションでは水樹奈々さんのアニソンを歌ったんですけど、恐ろしく音痴だったらしく……。案の定、「ひどい」と言われました。
──補欠って、野球部のベンチのようなものですか?
