最近、若いビジネスパーソンの間で「体力不足」が深刻な問題となっている。疲れやすい、休みがち、繁忙期にムリがきかない――こうした悩みを抱える人は決して少なくない。
『体力がない人の仕事の戦略』(クロスメディア・パブリッシング)は、精神科医である和田秀樹氏の視点から、限られたエネルギーをどう配分し、効率よく働くかを解説した一冊だ。本書から、体力に自信のない人が知っておくべき仕事との向き合い方を紹介する。(全3回の2回目/つづきを読む)
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「すべて自分がやらなければならない」と考える必要はない
自分の不得意な仕事や苦手な仕事は、時間ばかりかかって、体力や気力を奪う原因になります。
会社という組織で働いている限り、「すべて自分がやらなければならない」と考える必要はありません。
会社というのは、誰かが体調不良で休んでも、何ごともなく回るものです。
自分のプライドや上司の評価を気にするよりも、「ムリなものはムリ」と自ら主張した方が、仕事が効率よく進むこともあります。
場合によっては、「逃げる」という選択肢を考えてもいいと思います。
逃げるという言葉には、ネガティブなニュアンスがありますから、卑怯とか卑劣な考えと思う人もいるでしょうが、精神科医としての私の解釈は異なります。
逃げるという行為を、私はポジティブで即効性のある「最終手段」と考えています。
「逃げるが勝ち」の5つの効果
日本語には「敵前逃亡」というフレーズがありますが、「逃げるが勝ち」という視点もあるのです。
苦手な仕事から「逃げる」ことによって、私は次のような5つの効果が得られると考えています。
(1)ストレスや苦痛を感じるものと距離を置ける
(2)安心できる環境に移動できる
(3)自分らしくいられる場所が手に入る
(4)自分の考えや気持ちを整理する時間が作れる
(5)体とメンタルの健康を守れる
こうした効果は、最前線のビジネスパーソンだけのものではなく、管理職の立場にある人にとっても、意味のある有効な手段だと考えています。
