戦争の二次被害で失われていく命
――スーダンの首都ハルツームにあるお父さまの実家にはずっと帰れない状況なんですね。
MOHA というかうちの親族だけでなく、首都全体が今本当に空っぽというか、戦場ですよね。日本でいう東京に誰もいなくなった状態になっています。
国軍にいる友だちが実家を見に行ってくれたんですけど、RSFによって荒らされまくっていて。家具やエアコンは盗まれ、車は燃やされていました。荒らした後は、壁を銃で撃つんですよね。
――それは何かのメッセージ?
MOHA 「この家は襲撃済み」という意味ですね。庭には不発弾が落ちていますし、帰れるような状況ではないです。
僕のお婆ちゃんと叔父は2024年にどちらも亡くなってしまいましたが、その原因は、適切な医療が受けられなかった影響です。
――戦闘による二次被害で?
MOHA そうです。叔父は急に重い病気になって何日間も苦しみましたが、適切な医療が受けられないまま亡くなってしまって。お婆ちゃんも病気になったけど病院までたどり着けず、亡くなりました。
もちろん銃撃とか爆弾で亡くなる人もたくさんいますが、医療難民とか飢餓とか、戦争による二次被害で命を落とす人も大勢いて。
戦争でスーダンに帰国できないので、僕のお父さんは自分のお母さんと自分の弟の葬式にも出られなかったし、お墓参りもできない。何もできることがない状況に置かれて、怒りとか悲しみを超えた感情というか……ここ数年は本当に虚無感を感じています。
富が集中してきたのは全部、政治のせい
――あまり日本では報道されない中、MOHAさんの発信でスーダンの現状を知った人も多いのでは。
MOHA Xではストレートに書きますけど、YouTubeで取り上げるには葛藤があって。ふだんは楽しくワイワイやっているチャンネルなので、シリアスなトーンで話した時に視聴者がちゃんと見てくれるのかとか、皆が求める僕たちじゃないんじゃないかという思いがあり。
でも、スーダンで起きている本当のことは伝えたいし、難しいです。
――スーダンは、ナイル川の肥沃な土壌を活用した農産物の他、金や石油もとれるということで、非常に資源豊かな国だそうですね。
MOHA かなり資源豊かな国ですが、その豊かさを誰も感じられずにきたのが現実です。
ごく限られた人たちにだけ富が集中してきた。全部、政治のせいですね。

