恋愛とルッキズムの壁
――「自分の見え方というのを常に気にしている」とおっしゃっていましたが、恋愛についてはいかがですか。
大河内 特に変わらず、という感じです。興味がないわけではないんですけど、踏み込めない。好きだなと思っても「病気だしな」と、そこでブレーキをかけてしまうんです。やっぱり、いじめの影響もあると思います。小中学時代の記憶は大きいです。
それに高校のとき、病気のことを詳しく言わないで「こういうのが肌に生まれつきあるんだよ」みたいな話になったときに「やっぱり付き合うのをやめよう」と言われて疎遠になることもあったので……病気うんぬんよりも、体が綺麗じゃないとダメなんだ、みたいに思い込んでいるところもあって。
あと、背中にボルトが入っているので、電気を使う施術は受けられないんです。感電の心配があるから電気風呂もダメだと言われています。だから、電気を使うエステや脱毛もきっと難しいんだろうな、と。エステティシャンの友人にも「やめておいた方がいいよ」と言われました。
街や電車でエステや脱毛の広告を見かけるたびに、「ああ、私はこういうこともできないんだな」と、ちょっと寂しい気持ちになります。
――確かにルッキズムに偏っている宣伝文句が街に溢れていますよね。今でも初対面の人が苦手とか、街を歩いていて他人の視線が気になるようなこともありますか?
大河内 そうですね。なるべく服で隠したいなと思うことはあります。首元を見られている気がすると、ちょっと気になったり。あと、海とか温泉には自分から積極的に行こうとは思わないですね。
――他にも気になることはありますか?
大河内 ボルトが気になるので、重いものを持ち上げるときは気をつけています。満員電車で押されるのも、背骨が少し不安ですね。ジェットコースターもダメみたいなんですが、もともと苦手なので乗りません(笑)。
怒らないという選択
――以前「初対面に近い男性から、突然ホテルに行こうと言われた」というSNS投稿をされてましたね。
大河内 そうなんです。病気のことを「気にしない」と言ってくれたのはいいんですけど、「ちゃんと知りたいから、今からホテルに行って見せて欲しい」と言われて。何を言ってるんだろう、と思いました。
――ひどいですね。怒りは湧きませんでしたか。
大河内 私怒らないんです。怒ることってムダなのかな、って思っちゃって。怒ったところで何も変わらないじゃないですか。怒ることにエネルギーを使いたくないんです。
――クールですね。もともと怒らない性質なんですか?
大河内 どうなんでしょう。怒っているつもりでも伝わらないみたいで。でも最近は、怒らないから舐められているのかな、とも思いますけど。

