「出会い系で知り合った女性に会いに行く」
2017年、米ネブラスカ州で25歳女性が忽然と姿を消した。相手は偽名を使う男女の共犯者。2人は事前に凶器や漂白剤を買い込み、計画的に殺害、遺体を切断して遺棄していた。なぜ彼女は“アプリで出会っただけ”で、残酷な殺人事件に巻き込まれたのか? 文庫『世界の殺人カップル』(鉄人社)より一部抜粋でお届けする。(全2回の1回目/続きを読む)
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突然、行方不明になった25歳女性
2017年11月15日、米ネブラスカ州ネーリーに住む当時25歳の女性、シドニー・ルーフが行方不明になった。この日、彼女は勤務先である同州リンカーンのホームセンター「メナーズ」で仕事を終え、18時に店を退出。このときの姿を監視カメラが捉えており、それを最後に行方がわからなくなった。
翌日、出勤してこないシドニーを心配した同僚が彼女の家族に連絡。16日になって失踪届を受けたリンカーン警察がシドニーが1人で住むアパートを捜索したところ、本人の姿はなかったものの、アパート敷地内にシドニー所有の車が停まり、部屋に財布やメガネが残されていたことから、本人の意志による失踪ではなく、何者かに誘拐・拉致されるなど事件に巻き込まれた可能性もあるとみて捜査を開始する。
ほどなく有力な情報が警察にもたらされる。シドニーの友人女性が、監視カメラがシドニーの姿を記録した30分後の15日18時半ごろ、本人から「これからティンダー(世界有数の出会い系サービス)で知り合ったオードリーという女性と会う」と電話があったという。友人女性はシドニーが登録していたティンダーのプロフィールから彼女の知り合いに「オードリー」がいることを掌握。
彼女が何か事情を知っているものと、悟られないよう出会いを希望するメッセージを送ったところ、オードリーから電話で話したいと番号を記したメッセージが返ってきたそうだ。
これを聞いた警察は、電話番号と、シドニーの携帯電話の電波が最後に確認された位置情報からオードリーが住む同州ウィルバーのアパートを特定、部屋の中を捜索したものの、手がかりになるようなものは何も見つからなかった。ただ部屋には漂白剤の強い臭いが蔓延しており、これをアパート2階の家主に確認したところ、臭いは15日の夜から発生しており、住人の中にはその異臭に耐えきれず嘔吐した者もいたそうだ。
