募集人数は“わずか5名”…それでも防大を目指したワケ

松田 そんな時に防衛大の存在を知り、死と隣り合わせの自衛隊に興味が湧いたんです。人は極限状態で何を思うんだろうって。

 神戸大学に合格してはいたんですが、もともと公務員志望だったこともあって、防大を選びました。

防大生時代の松田さん(本人提供)

——金銭面も理由のひとつだったんですね。

ADVERTISEMENT

松田 はい。防大は学費も寮費も被服費も食費も無料ですし、月額約15万円の学生手当と約52万円のボーナスまで支給されます(編注:ともに令和7年度)。

——防大の倍率は高いと聞きます。

松田 文系・理系それぞれの募集枠があるのは普通の大学と同じですが、防大は男女でも募集枠が分かれていて、2次試験では基礎体力試験もあります。いまですと、一般採用の文系女子の倍率は30倍以上。理系男子の約5倍と比べると、すごく高い倍率ですね。私の時の文系女子(一般採用)の募集人数は5名でした。

——かなり狭き門ですね。

松田 そうですね。私も「5人の中に入るのは無理だろう」と思っていました。でも、1次試験を合格した後は、「これはいける!」と期待していました(笑)。

 私は中高と陸上部だったんです。中学は全国大会の出場者もいる強豪校で、高校は陸上部の部長を務めていました。体力テストで学年1位を取ったこともあり、体力にはそれなりに自信があったんです。

高校の体育祭にて(本人提供)

——実際、入校してみてどうでしたか。

松田 4月1日に防大に到着したのですが、5日の入校式まで厳しい指導はありませんでした。この5日間は“お客様期間”で、まだ防大生としては正式に認められていなかったんです。

 とはいえ、上級生たちも2年生に対しては厳しく接するので、その光景を目の当たりにすることになります。