5日で50人の“同期”が消えた
松田 あくまで当時の話ですが、この間に、男女合わせて1割がいなくなりました。最初は約520名ほどいた学生が入校式には約470名に減っている計算です。
——5日で50名ですか!
松田 男女関係なく辞めていき、北海道から来たという、入校式の練習で隣の席になった女の子は3日で辞めてしまいました。その後、卒業までにはもう1割減りました。
ただ、いまは時代の流れから厳しい指導が撤廃されたこともあり、辞める人はぐんと減っているようです。
私にとっても軍隊式の生活はすごいカルチャーショックでしたけど、もともと興味本位で入学したところもあったので、心の中では「面白いな」とも思っていました。
ことあるごとに腕立て伏せと空気椅子
——“お客様期間”が終わるとどうなるのですか。
松田 上級生は人が変わったように厳しくなりました。ことあるごとに腕立て伏せと空気椅子。腕立て伏せは途中でへばると姿勢だけでも保持させられますが、それも無理となれば上級生に腰ベルトをつかみあげられます。自分の手のひらの汗でつるつる滑り、髪の毛からも汗が滴り落ちる。「誰かに水をかけられたのか」と上級生に心配されるくらい、汗をかいている同期もいました。
これもいまの防大生に言ったら「え……?」と驚かれるエピソードです。最初は10回くらいしか腕立て伏せができなかった女子も、気が付けば100回できるようになりますよ。
——すさまじいスパルタ指導ですね。
松田 もちろん、文部科学省の定める大学設置基準には準拠しているので、普通の大学と同じように時間割があり、講義が基本です。それらの学業をこなしたうえで、訓練があり、寮生活では上級生からの厳しい指導が加わります。
——講義ではどんなことを教わるんですか?
松田 防衛学や国防論などの防大らしい科目もありますが、普通の大学と同じような一般教養が基本です。私の専攻は人間文化学科の心理学でした。

