交際相手の林諒憲被告(当時23)に撮影された性的動画がネット上に投稿されていると知らされたA子さん。
その直後、動画が拡散していると告げて呼び出した長﨑翔磨被告(当時22)と大川健太被告(当時24)からわいせつ行為を受けた。3人の被告の犯行の手口と裁判の行方、そして法廷で明らかになった三者の主張を追った。
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父親と弁護士が「あの2人は怪しくないか」と…
「そうだ、さっきの動画を流そう」
長﨑被告はベッドに寝ているA子さんの胸の上にスマホを置いて、動画を流し始めた。
「ホクロの位置が一緒だね」「AV女優みたいだね」などと言って笑い、大川被告はA子さんのズボンと下着を脱がして、陰部を覗き見た。
「オレ、女性器見るのが趣味なんだよね」
やがて長﨑被告がA子さんの口の中に男性器を押し込もうとした。それをよけると、A子さんの顔や髪やTシャツに精液がかかった。
「マジであり得ないんだけど……、ティッシュを取って!」
大川被告は精液をかけることはなかったが、執拗にA子さんの足を広げて陰部を凝視した。
一連のわいせつ行為が終わって、A子さんは愛知県警春日井署に連れて行ってもらった。同署では林被告に動画を流出されたことは話したが、長﨑被告と大川被告によるわいせつ行為のことは話さなかった。2人とも動画を保存して持っているので、また連絡が取れなくなるようなことがあったら怖いからだ。帰りも2人に送ってもらい、連絡先を消してしまった大川被告のSNSのアカウントも聞いた。
その翌日、A子さんは父親に相談した。弁護士のところへ行くことになったので、動画が拡散していることを教えてもらった知人として、長﨑被告と大川被告にも同行してもらった。
あらかたの説明が終わり、長﨑被告と大川被告が帰った後、父親と弁護士が「あの2人は怪しくないか。林とグルなんじゃないか」と口を揃えて尋ねてきた。
「長﨑の父親はヤクザだって言ってる」
「ますます怪しいな。他に何かされていることはないか?」
出演契約書が偽造されていた
A子さんは父親に2人からわいせつ行為をされたことを話した。その件で再び春日井署に行ったところ、警察官からも「長﨑と大川は怪しい」と言われた。自分以外の大人がすべて「怪しい」と言っているので、A子さんは「私がすべてを打ち明けないと、事件は解決しないんじゃないか」と思い、林被告の自宅で性行為の動画を撮られた経緯から話した。
2025年3月5日、林被告はサイトの事業者に届け出ていた身分証明書から投稿の事実が割り出され、A子さんが入浴しているときに身分証明書を抜き出してコピーし、マッチングアプリで知り合った氏名不詳の女に出演契約書を書いてもらい、運営側に提出したという有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕された。
