その後、A子さんに会ったことはなく、逮捕は青天の霹靂で、警察官に「裁判で不利にならないためには、A子さんの話の通りにした方がいい」とアドバイスされ、自分の記憶とは違う供述調書を取られたという。それで「裏切られた」と激怒し、長﨑被告は「検察官からの質問はすべて黙秘させていただきます」として、何も答えなかった。
裁判長は「被告人両名の供述内容は到底信用できない」と指摘
大川被告は被告人質問で次のように述べた。
「A子さんには善意で事件のことを教えた。性行為も同意のない状態ではやっていない。私が着衣を脱がして性器を見たと言っているが、そんなことはしていない。動画を発見したときから、わいせつな行為をするとは長﨑と一切話していない。
部屋に行こうと持ちかけてきたのもA子さんだった。長﨑がA子さんに胸を触っていいかと聞くと、『いいよ』と言っていた。目の前で手でされているのを見てムラムラしてしまい、自分にもしてくれるように頼んだら『いいよ』と言っていた。長﨑の父親がヤクザの組長で、私が同調したというのも一切ない」
大川被告はA子さんに動画を見せたときの状況も事細かに説明し、林被告がこれで常習的に金を稼いでいるという話をすると、A子さんは「えっ、マジで。うざいんだけど。きっしょ」と怒っていたという。
A子さんが「一刻も早く動画を消してもらいたい。問い詰めたい」と言うので、そうすると以前に別の被害者の件で逃げられてしまったように、警察に「民事で解決してくれ」と言われかねないと説明すると、A子さんは納得してくれたという。
これらの対策を万全にして警察署に連れて行ったのであり、A子さんの父親に弁護士事務所に呼ばれたときも動画を発見した状況を丁寧に説明し、その後は父親の要望に応えてすべての動画を消去したという。
「その際もA子さんに『感謝している』と言われた。動画を見ていたとき、エッチな雰囲気になったが、A子さんは嫌がっていなかった。ヘルペスだと言われ、自分はトイレで自慰行為をした。
出てくるとA子さんが長﨑に精液を髪にかけられたと言っていて、『拭いてほしい』と頼まれた。A子さんの胸の上にスマホを置いて、ホクロの位置が同じだとか、AV女優みたいだなどと言った覚えもありません。終始フレンドリーな雰囲気だった。警察の取り調べでは善意でやったことを説明し、あとは黙秘しました」
大川被告も「検察の反対尋問はどんな質問であれ、一切黙秘します」と拒絶した。2人がA子さんの動画に気付き、警察に被害届を出すきっかけを作ったのだから、事件が解決したと言えるのだろうか。
2026年3月4日、名古屋地裁の吉田智宏裁判長は「被害者は一刻も早く警察に行きたいと願っている中で、初対面の被告人両名と3人で性的行為を行うような雰囲気になり、脅迫行為のない状態で被害者が性的行為に応じることになったというのはあまりにも不自然。これらの経緯について納得できるような説明は一切なく、被告人両名の供述内容は到底信用できない」と指摘。
「被害申告の経緯は一連の事態が生じた状況を全体として合理的かつ俯瞰して説明できるものになっている。その内容は具体的かつ迫真的で自然なものである。脅迫文言も相当具体的で、虚偽供述の動機も見当たらず、記憶違い等もうかがえない。
被告人両名はすぐにでも被害者を警察に連れて行くことが可能だったにもかかわらず、笑いながら動画を見て、わいせつ行為を持ちかけるなど、相談を口実にわいせつ行為に及ぼうとしていたことが合理的に推認できる。拡散への強い不安を抱える被害者に対し、2人がかりでさらなる性加害に及び、恥辱的な言葉を浴びせ、卑劣な行為に及んだ。このような精神的、肉体的苦痛を与えていながら、不合理な弁解に終始し、反省も見られない」として、被告人両名にそれぞれ懲役4年6カ月を言い渡した。
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