接待とは、相手を知り、相手と調和すること――。大事な会食の場で失敗を防ぎ、そして相手に喜んでもらうためには何をすべきで、何に気を付けるべきなのか? ビジネスと食の現場に詳しいノンフィクション作家の野地秩嘉氏が、接待のプロたちを取材した『一流の接待』(小学館)から一部抜粋してお届けする。

 今回は、ミシュラン1ツ星を獲得したことのあるフランス料理店「ラリアンス」などを展開し、日本航空のファーストクラス機内食を手掛けたこともある人物・熊谷誠氏に聞いた、接待における「タブー」について。(全4回の1回目/続きを読む

接待のプロが明かす「タブー」とは? ©mapo/イメージマート

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「相手は絶対に気付いている」接待のタブーとは?

 ここに挙げた失敗は、功なり名遂げたビジネスパーソンでも誰もがやったことがあるものだ。該当したからといって寝ずに朝まで悩むことはない。しかし、やったことのあるは反省して、二度はやらないようにすること。

(1)接待で会食している時、スマホを「チラ見」する

 これは熊谷社長の指摘だ。彼は自身が経営するフランス料理店「ラリアンス」の個室へ行き、客にあいさつすることがある。そこで、必ず見かけるという。

「若い方のなかには食事中にテーブルの下でスマホやスマートウォッチをチラ見する人がいます。たぶん、自宅でもスマホをいじりながら食事をしているのでしょう。この場合、相手は見て見ぬふりをします。

 でも、やっていることは見抜いています。相手は愉快ではありません。マナーに反することです。本人は末席にいる自分は関係ないと思っているかもしれませんけれど、絶対、わかります。好意的に解釈したら、相手が話題に出したワードを検索しているのかもしれません。しかし、たとえ調べているのであっても、その場合は席を外して調べるべきではないでしょうか」

 会社で会議をやっている時でもスマホをそっと見ている人はいるだろう。もしくはパソコンを置いて打ち合わせをするから、わからないワードがあれば検索することが習性になっているかもしれない。それでも、接待の席ではやってはいけない。食事中はもちろん、デザートの時でもダメだ。

 緊急の知らせがあった場合も、いくらかでも事情を伝えてから席を外して電話に出る。席に戻ったら、用件によっては「これこれこういうわけでした」と相手にも知らせること。それくらいの気遣いができなくてはいけない。