きょう2月28日、歌手の田原俊彦が65歳の誕生日を迎えた。ちょうど1年前のこの日には、小学館のウェブサイト「週刊コロコロコミック」で大端了輔による『異世界トシちゃん!~田原俊彦は転生じゃなくて先生~』というマンガの連載がスタートして6月まで続き、終了後、単行本化されている。(全2回の1回目/続きを読む

 その内容は、スーパースターの“トシちゃん”こと田原俊彦がコンサート中に魔界に転生し、魔王から魔族の通う学校で教師を任せられるというものだ。作中のトシちゃんは、モデルとなった現実の歌手・田原俊彦がそうであるように片足を高々と上げたり、左足を軸に高速ターンを決めたりと、抜群の身体能力によるパフォーマンスをもって生徒たちを守ることに全力を挙げ、陰謀をたくらむ教頭とバトルを繰り広げることになる。このような作品が成立するのは、田原がスターとして人々に夢を見せる立場にあることを強く自覚し、どこか現実離れした存在であり続けているからだろう。

2月28日に誕生日を迎えた田原俊彦(2021年撮影) ©文藝春秋

 作中のトシちゃんが魔界で教師になるのは、田原が昭和末の1988年、ドラマ『教師びんびん物語』(フジテレビ系)で熱血教師・徳川龍之介を演じたことにインスパイアされているのはあきらかだ。作者の大端了輔は1990年生まれというから、世代を超えてそのイメージが伝わっていることに驚かされる。

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『教師びんびん物語』は、その前年の1987年に同じく田原が主演した『ラジオびんびん物語』に続く、フジテレビの月曜9時台(月9)のドラマ「びんびん物語」シリーズの第2弾であった。

『教師びんびん物語』(1988年)

『教師びんびん物語』最終回の視聴率は31%に

『ラジオびんびん物語』はもともと、当時フジテレビのプロデューサーだった亀山千広が、プロアマのゴルフ大会「フジサンケイクラシック」で優勝しスピーチでガンガン笑いを取る田原を見て「トシちゃん面白いね!」と思い、三枚目役で主演に決めたという。田原は同年、作詞家の阿久悠原作の映画『瀬戸内少年野球団・青春篇』でも主演を務めていたが、亀山がオファーしてきた理由を知って《オレの映画での演技とか、全然関係ねーじゃん! ってね(笑)》と思ったらしい(『週刊文春』2019年5月23日号)。

『ラジオびんびん物語』で田原が演じたのは、何をやっても裏目に出てしまうラジオ局の営業マン・徳川龍之介で、野村宏伸演じる後輩の榎本英樹とドタバタ劇を繰り広げて好評を博す。まさに田原を三枚目に据えた亀山のもくろみどおりであった。これを受けて徳川・榎本コンビはそのままに、舞台を小学校に2人の役を教師に替えたのが『教師びんびん物語』で、『ラジオびんびん~』以上に当たり、視聴率は初回24.9%、全話平均22.1%と、当時の月9の最高記録を更新した。翌1989年にはパート2が放送され(生徒役で観月ありさが出ていた)、最終回の視聴率は月9初の31%に達している。