Cのウザ絡みについては、2年生に上がった直後の4月から担任には何度も相談していたという。

「『イジメにあっていて、仕返しが怖いからどうにかしてほしい』と伝えたので、さすがに先生が対応してくれると思ったのですが、僕の目には何もしてくれなかったように見えました。それで、学校に相談してもムダなんだと諦めていました」(同)

立命館守山中学校 公式サイトの紹介動画より

 母親は当時のことを振り返る。

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「息子の名前を連呼しながら執拗に追いかけ回したり、後ろから突き飛ばしたりしていたようです。息子は階段のところで押されたこともあって、『危ないからやめてくれ』って必死に伝えていたのです」

「口の中から血が出て止まらなくなり、激しい痛みが…」

 そして2年生の9月13日には、ソウタくんが顔面に大きな怪我を負う事件があった。

 Cを含む男子生徒3人にソウタくんは追いかけられ、下駄箱の近くあった体育館の扉の陰に隠れた。しかし3人はすぐにソウタくんを見つけて迫ってきた。

「見つかって壁に押しつけられました。最初に軽く抑えつけられ、さらにもう1人が後ろから強く押されたので、その勢いで壁に顔面を強打しました。口の中から血が出て止まらなくなり、激しい痛みが走りました。衝撃でしばらく意識が朦朧としました」

 それでもソウタくんは被害を教師には伝えず、怪我を隠して授業を受けたという。

「(他にも人がいましたが)誰も保健室へ連れて行ってはくれませんでした。怪我をしたときは頭が真っ白になってパニック状態でしたが、『授業を休んではいけない』という思いが勝っていました。それで溢れ出る血をマスクで隠して、口の中に溜まる血を飲み込みながら、授業を受けました。結局先生は授業中は僕の怪我に気づかず、授業の後に担任に報告して、ようやく保健室へ行けました」

けがの診断書には「上唇裂傷」の文字が

 母親は、担任からの電話で事情を把握したが、帰宅したソウタくんの姿を見て絶句したという。

「担任からの電話では『病院に行く必要はない程度だ』と言われ、それほど深刻な様子ではなかったんです。『誰が押したかわからない』とも言われました。でも帰ってきたソウタは上唇がえぐれるようなひどい怪我でした。あれで病院に行く必要がないと判断したのは普通とは思えません」

 母親には「誰が押したかわからない」と伝えていたが、事件当日にはソウタくんと担任教師、学年主任、3人の加害生徒での話し合いが行われていた。

 ソウタくんの記憶ではその場では3人は暴力を認めたというが、後に調査委員会がまとめた報告書では「記憶が薄れていた」と書かれている。